【核戦争?】マハーバーラタとラーマーヤナのあらすじ

歴史

マハーバーラタとラーマーヤナといえば、古代インドから伝わるインドの二大叙事詩です。

日本にも日本神話という独特の伝説がありますが、インドにもインド神話という物語があり、これを構成する重要な書物としてマハーバーラタとラーマーヤナがあります。

ここでは、マハーバーラタとラーマーヤナを学問的に議論していくのではなく、巷で良く語られている核戦争説などのオカルトチックな話をテーマにしていきたいと思います。

ただ、そうは言っても学問的にどこまで研究されているのか?というのも重要なところ。そこで、できる限り学術的な正確性を保ちつつ、難しくなりすぎないように議論していこうと思います。


マハーバーラタとラーマーヤナのあらすじ

まずはマハーバーラタとラーマーヤナのあらすじから押さえておきましょう。

この2つの叙事詩の存在を初めて知ったという人であっても、かなり分かりやすくかいつまんであらすじを書いてあるものを選びました。

※ある程度の正確性を担保するために厳密な出典元を選んでいたら、結果かなり長くなってしまいました。以下、要点だけをつかんで興味のあるところを読んでください。

マハーバーラタ

成立:西暦320年から550年頃
作者:ヴィヤーサ(諸説あり)
特徴:サンスクリットで書かれ、全18巻、100,000詩節、200,000行を超える。聖書の4倍の長さに相当。

パンチャーラ国にはドルパダ王子と仲の良いドローナという少年がおり、ヴェーダをともに学んでいた。やがてドルパダは国王になると、ドローナに「幼い頃は我らの間に友情があったが、国王とそうでない者との間に友情は成り立たない」と諭した。ドローナはパンチャーラ国を後にするとクル族のパーンダヴァ国に入り、やがて首都のハスティナープラで腰を落ち着けた。ある日、5人の王子達が困っているところに出くわし助けたところ、請われてある条件と引換に教師になることに同意した。弟子には、5人の王子達(ユディシュティラ、ビーマ、アルジュナ、ナクラ、サハデーヴァ)の他にカルナが居た。ドローナは彼らに戦い方を教えると、かねてからの約束通り、ドルパダ王を捕らえるように願い出た。弟子達はパンチャーラ国に攻め入り、ドルパダ王を捕まえた。ドローナが「国王とそうでない者との間に友情は成り立たないのだから、君の国を奪ったのだよ」と言い放ったが、ドルパダ王の懇願を受け入れ、ガンジス川の北をドルパダ王に返還し、南にドローナの国を作ってパンチャーラ国を分割した。ドルパダ王はいつかこの屈辱を晴らすためにヤグナを行うと、双子の兄妹(ドゥリシュタデュムナとドラウパディー)が生まれた。

ドラウパディーが絶世の美女に成長すると、ドルパダ王は花婿選びを開催した。カルナは優れた弓の名手ではあったがクシャトリヤ以上の階級という条件に合わなかったため拒否された。パーンダヴァの5王子を亡き者にしようとするカウラヴァの卑劣な策略から逃げ延び、身分を隠して参加していたアルジュナが勝利すると、パーンダヴァの5王子はドラウパディーを連れて家に帰った。アルジュナの母クンティーは忙しくしていたため、アルジュナがドラウパディーの花婿選びで勝ったという5王子の報告を、托鉢して施物を集めてきたものと勘違いし、兄弟で等しく分かち合うよう言った。こうしてドラウパディーは5王子が共有する妻になった。また、アルジュナは転生したインドラである。

ユディシュティラが大きくなると、父王パーンドゥの跡を継いでいた叔父の盲目王ドゥリタラーシュトラはクル国の半分をユディシュティラに与えた。ユディシュティラはカーンダヴァ森のインドラプラスタの王宮に住むようになった。盲目王の子ドゥルヨーダナは5王子の幻想宮殿を訪ねたとき、水の中に落ちてしまい、ドラウパディーの女中達がそれを喜んで眺めた。元々次の国王は自分だと思っていたドゥルヨーダナは、この扱いに激怒して陰謀を巡らす。ドゥルヨーダナこそ悪魔カリの転身である。ドゥルヨーダナの怒りを知ったビーシュマは、首都ハスティナープラを分割してユディシュティラに与え、平和を維持することを提案した。カウラヴァのシャクニが謀ったサイコロ賭博事件が起こり、ユディシュティラは全てを巻き上げられ、王国も失ってしまう。ユディシュティラは、妻ドラウパディーすら賭けで失い、彼女は奴隷にされた。かつて身分の違いを理由に袖にされたカルナは、罪の無い彼女が男たちに裸にされ、辱しめをうけようとすることに加担し、奴隷女と罵った。

サイコロ賭博事件の結果、5王子は13年間に渡る森の中での逃亡生活を強いられた。

その後、パーンダヴァ王家は5王子達カウラヴァ王家からの王国奪還を要求し対立が深まった。アルジュナが師ドローナに弓引く戦争をためらっていると、いとこのクリシュナが自分の正体がヴィシュヌであることを証し、「道徳的義務を遂行する自分のダルマを果たすべきで、友人や知人の死で苦しんではならない。彼らは肉体の死によってその病んだ魂を純粋平和な世界へ開放することが出来るのだから」と説いた(『バガヴァッド・ギーター』)。

クルクシェートラの戦いでカウラヴァ王家は全滅する。カルナはアルジュナによって殺され、昇天して太陽神スーリヤと一体化した。ドゥルヨーダナはビーマに殺された。ドローナは、ユディシュティラに捕まえられたところをドゥリシュタデュムナに殺され、悲報を聞いたアルジュナは師の死を悼んだ。

(以上、wikipediaより引用)

ラーマーヤナ

成立:紀元前4~5世紀頃
作者:ヴァールミーキ
特徴:サンスクリットで書かれ、全7巻、総行数は聖書にも並ぶ48,000行

第1編「少年の巻」
コーサラ国王ダシャラタはヴィシュヌ神の化身であるラーマなど4人の王子を得た(カウサリヤー 妃からラーマ、カイケーイー妃からバラタ、スミトラー妃からラクシュマナとシャトゥルグナ)。ヴィシュヴァーミトラ仙の薫陶を受けたラーマは、ジャナカ王の宮廷で開かれた婿選びの競技で優勝し、王女シーターと結婚する。ラーマはパラシュラーマを打ち負かす。

第2編「アヨーディヤーの巻」
ダシャラタ王はラーマに王位を譲ろうとするが、カイケーイー妃の干渉にあって、バラタを王位につけること、ラーマを 14 年間森に追放することを余儀なくされる。ラーマは父の命にしたがい、シーター妃とラクシュマナに伴われてアヨーディヤーの都を出るが、残された王は悲しみの余り絶命する。バラタはラーマを引き戻そうとするが拒絶され、ラーマから譲り受けた履き物を王座に置いてラーマ の代理として統治する。

第3編「森林の巻」
ラーマたちは行者たちを邪魔する羅刹たちの退治に活躍する.シュールパナカーはラーマに懸想し て拒絶されラクシュマナからは侮辱を受ける。彼女は復讐のため兄ラーヴァナにシーターをさらって 妻にするようそそのかす.小鹿を使った奸計でシーターを誘拐したラーヴァナは、シーターを救おうとしたジャターユスを倒し,ランカー島に帰還する.失踪したシーターを探すラーマたちはキシュキ ンダーでスグリーヴァとその家来の猿たちに出会う。

第4編「キシュキンダーの巻」
ラーマはスグリーヴァが兄ヴァーリンから王国と妻を取り戻すのを手伝い、代わりにスグリーヴァの部下たちにシーター探索の援助をうける。ハヌマーンはランカー島にシーターが誘拐されたことを突き止める。

第5編「美麗の巻」
ハヌマーンは海を飛び越えてランカー島へ渡り、シーターと接触し、ラーマの指輪を渡して救出が 近いことを知らせる。ハヌマーンは羅刹たちに捕まるが、ラーヴァナの宮廷を火の海にしてラーマのもとに帰還する。

第6編「戦闘の巻」
ラーマたちは猿たちの力によって海に橋を架けてランカー島に攻め込む。ヴィビーシャナは兄を諌 めるが聞き入れられず、ラーマに協力する。激しい戦いの末、ラーマはラーヴァたちを倒し、ヴィビーシャナを王位につける。ラーマに貞操を疑われたシーターは火の中に身を投じるが、火神アグニが現れてシーターの潔白を証明する。一行はアヨーディヤーへ凱旋し、ラーマは王位につく。

第7編「最後の巻」
国民の間にシーターの貞操を疑う声が生じ。ラーマはシーターを森に追放する。シーターはヴァールミーキ仙の庵に滞在し。クシャとラヴァの双子を産む。ヴァールミーキ仙は二人に『ラーマーヤナ』を語って聞かせる。二人が物語を朗詠するのを聞いたラーマは、シーターに身の潔白を証明するよう求める。シーターが大地の女神を呼び出すと、女神はシーターを抱いて地中に消える。嘆き悲しむラ ーマは王位をクシャとラヴァに譲り、天界に昇ってヴィシュヌ神に戻った。

(以上、東京外国語大学『東南アジア古典文化論』より引用)

マハーバーラタとラーマーヤナに核戦争の記述?

あらすじの部分で大分長くなってしまいましたが、マハーバーラタもラーマーヤナも、民間人が代々受け継いできた伝承をまとめたものです。

そして、ここからが不思議な話なのですが、なんとこの2つの書物のなかには核戦争を描写する記述があるというのです。

普通に考えれば古代インドの伝説を書いた書物に核戦争が登場するわけがありません。事実、核爆弾が開発されたのは1943年ごろ、ロスアラモス国立研究所の初代所長であったロバート・オッペンハイマーが開発したといわれています。

それに対して、マハーバーラタは紀元3世紀ごろ、ラーマーヤナに関しては紀元前に成立したものです。ざっくりと計算してもこの間は2000年以上も開いているということになるわけです。

こういう現象をオカルトの世界では、いわゆるオーパーツなどと呼んでいます。オーパーツというのは時代背景から考えて絶対にあり得ないものがその時代に描かれていたり、記述されていたりするもののことをいいます。

この核戦争に関する記述についても、オーパーツの一種だと考えられており、考古学者などが研究チームを組んで本格的な研究をしているところもあるくらいです。

ただ、これだけを聞いても信じられないという人は多いでしょう。そこで、以下に核戦争に言及してるのではないか?といわれる個所を抜き出してみました。

マハーバーラタとラーマーヤナから核戦争に関する記述を抜き出してみる

それぞれの書物から核戦争を表しているのではないか?といわれる記述を抜き出しました。

まず、マハーバーラタについてですが、この書物で注目すべきはインドラです。インドラというのは神様のひとつで、そのインドラの落とす雷や矢の描写が核戦争に酷似しています。

「それは、宇宙の力が詰め込まれているただ1個の飛び道具だった。太陽を1万個集めたほどの明るい白熱した煙と炎の柱が、輝きながら立ち昇った」

「それは、未知の武器であり鉄の稲妻、巨大な死の死者だった。プリシュニとアンダーカの全民族を灰に帰らせた」

「死体は、あまりにも焼けただれて、とても見分けがつかなかった。毛と爪は抜け落ち、壺はわけもなく砕け割れ、鳥たちは白く変わった」

「授けられたその力は、千の目を持つインドラ神の雷、生けるものすべてを破壊した」

マハーバーラタより

一方、ラーマーヤナを見てみます。

こちらにはインドラは登場しませんが、近代文明の象徴である飛行機(戦闘機)としか取れないような記述があります。それが『ヴィマーナ』です。

ただ、ラーマーヤナに書かれたヴィマーナの描写で日本語訳されたものがなかったため、同じく叙事詩であるベーダの記述を引用します。

ラーマは忠実な弟ラクシュマナと妻を捜す苦難の旅に出るが、途中で猿族の王ハヌマーンの助けを得て、ついに魔王の本拠を突きとめ、ヴィマーナと強力無比の兵器を駆使した壮絶な殺戮戦のすえ、ラーヴァナを倒してシータを救い出す。ラーマは妻をヴィマーナに乗せて、意気揚々とアヨージャへ飛び帰り、めでたく王座に就く。

ラーマーヤナより

内容的にはラーマーヤナも同じようなことが書かれているようです。

このヴィマーナという乗り物は、現代の戦闘機よりもはるかに性能が良く、ジグザグ飛行はもちろん、超高温、爆発などにも耐えられる鋼鉄の鎧を持つといわれています。これはまさにUFOを彷彿とさせます。

こんなことを聞くと、そんなことありえない!って思う人も多いと思います。しかし、実際にヴィマーナの作成方法をまとめた書物が見つかっているというのだから驚き。

その書物というのが『ヴァイマーニカ・シャーストラ』です。『ヴァイマーニカ・シャーストラ』は古代インドの科学技術を収めた百科事典である『ヤントラ・サルヴァスヴァ』が原典といわれていますが、残念ながらこちらは見つかっていません。

しかし、アメリカが本格的なアフガニスタンの現地調査に乗り出し、ヴィマーナの発掘を開始。そして、2012年にはなんと5000年前のものと思われるヴィマーナを発見したというのです。

この研究結果は正式にまとめられたものではないため、ヴィマーナの存在を示すものではありません。しかし、どこかロマンのようなものを感じてしまいますね。

さすがにあり得ないトンデモ話に聞こえてしまうかもしれませんが、もしかすると頭ごなしに否定できるような話でもないのかもしれません。

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