最近の調理器具は昔に比べるとだいぶ便利になりましたよね。
フライパンなどの調理器具に施されているテフロン加工もそのひとつです。
テフロンはフッ素樹脂を使い、フライパン表面に薄い膜を張ることによって、食材とフライパンがくっつかないように加工されているものを言います。
調理後も汚れが落ちやすく、大変便利なものではあるのですが、その一方で『テフロンは人体に有害』という噂も。。。
そこで、ここではテフロン有害説の真実と、テフロン加工された調理器具の正しい焦げの落とし方についてみていきます。
テフロン加工は剥がれたら有害というのは本当なのか?
テフロンが有害とされているのには、以下のような理由があります。
- 高温で加熱すると有害ガスが発生する
- フッ素樹脂が体内に蓄積される
このような理由によって、人体に悪影響を及ぼし、結果的に『奇形児の出産』や『肺水腫の発症』などに結び付くのではないか?といわれているのです。
しかし、結論からいうと現在のところは人体に悪影響を及ぼすという明確な根拠はありません。
確かにテフロン(ポリテトラフルオロエチレン)は高熱に弱く、260℃以上で劣化、350℃以上になると分解されていきます。
分解されたポリテトラフルオロエチレン自体は人体に無害ということがわかっているものの、このときに出される煙などを吸い込むことでインフルエンザのような症状を引き起こすという報告があります。通称ポリマーガス熱というものです。
ただ、通常の家庭料理をしているなかでフライパン表面の温度が260℃以上になることはまずありません。
フライパンを使って揚げ物をしたとしても、200℃程度の温度になりますので、有害ガスが発生するリスクを考える必要はないというのが結論になります。
知っておきたい!正しい焦げの落とし方
テフロンは熱以外にも摩擦に弱い物質として有名です。
摩擦に弱いということは、洗う時にたわしなどでゴシゴシと擦ってしまうのは危険で、こういう洗い方をすると簡単にテフロンが剥がれ落ちてしまいます。
ただ、調理をしていればフライパン表面に焦げ付きができてしまうのは避けられません。こんなとき、どのようにして洗うのが正しいのでしょうか?
最低限押さえておくべきポイント
まずは洗い方の基本として、以下のポイントを押さえておきましょう。
- スポンジの硬い方では擦らない。あくまでも柔らかい方で洗う。
- 調理後の熱いフライパンをすぐ冷水に浸すことはしない。
- クレンザーなどは絶対に使用しない。
この3つは最低限の知識です。これを守ったうえで、以下のような工夫をしてみましょう。
テフロンを傷めずに焦げを落とす方法
焦げの落とし方と一口にいっても、いろんな方法があります。
一番簡単なのは焦げの付いたフライパンに水を入れ、火にかけて沸騰させます。
沸騰したらそのまま一晩おき、翌日にスポンジの柔らかいほうで軽くこすってみてください。
たいがいはこの方法で焦げ付きが落ちますが、なかなか剥がれてくれない!という場合には、沸騰させるときに玉ねぎの皮や重曹を入れてみましょう。
このほか、スポンジでこするときにお酢をしみこませてから擦るとより落ちやすくなる場合があります。
また、フライパンによっては水溶き片栗粉を使うことで綺麗に焦げがはがれてくれることもあります。
水溶き片栗粉を用意したら、フライパンに薄く敷きます。そのフライパンを火にかけ、水溶き片栗粉を熱していきます。
水溶き片栗粉が徐々に透明になっていったら、火を止めて冷ましましょう。
冷めて乾燥した片栗粉の膜を慎重にはがしていくと、焦げも一緒に剥がれてくれます。
この2つの方法でもし剥がれない場合には、テフロン自体がすでにはがれてしまっている可能性が高いので、フライパンの買い替え時期かもしれません。