手紙や郵便物の宛名書きは基本的なビジネスマナーですが、お寺や神社に出すときに迷った経験はありませんか?
会社や個人と違ってなかなか出す機会もないですし、特別なマナーがあるのかなぁとか不安になりますよね。
そこでお寺や神社への宛名書きを詳しく調べてみました。
前提として押さえておいてほしいのが、宗教によって若干異なるということです。
どんな宗教・宗派でも通用する書き方も紹介していますが、なかには宗派独特の敬称などもありますので、その点は事前に確認した方がいいでしょう。
目次
お寺(寺院)への正しい宛名書き
日本人の多くは仏教徒ですので、まずはお寺への宛名書きから見ていきましょう。
もっともポピュラーな書き方
お寺への郵便物でもっとも無難な書き方が『御中』です。
具体的には、『○○寺 御中』という書き方ですね。
ただし、御中というのはあくまでも組織や団体のなかの人宛という意味ですので、個人を特定するものではありません。
そのため、住職宛に出したい場合にはこの書き方では不十分です。
住職個人に宛てて書く場合
この場合にもっとも無難なのが『様』です。
具体的には、『○○寺 住職□□様』という書き方ですね。
名前のまえにしっかりと住職を書き入れましょう。
もし住職の名前がわからないときには、『○○寺 住職様』と書きます。
一般的には『○○寺 御住職様』という書き方もよく使われますが、正確に言うと『御』と『様』の敬称重複で誤った使い方です。
ただ、非常に広く使われている書き方ですので『御住職様』と書いても特段、問題はないでしょう。
葬儀屋やお寺など専門職では『御裡』をよく使う
お坊さんやお寺などとかかわりの多い専門職では、『御裡』や『御裡内』という書き方をします。
御裡は『おんり』、御裡内は『おんりない』と読みます。
意味的には、御中と同じような意味になります。
つまり、『○○寺 御裡』や『○○寺 御裡内』という書き方をします。
ただ、これも御中同様に組織内の不特定の人宛ということになりますので、住職宛に書く場合は名前をしっかりと書く必要があります。
『○○寺 御裡 住職□□僧正様』などの書き方や、『○○寺 御裡 住職□□上人様』などの書き方をよく見ますね。
こちらの場合も名前がわからなければ『住職様』などの書き方で大丈夫でしょう。
これらの書き方を覚えておくとより専門的でかっこが付くかもしれませんね。
もしくは
『○○寺 住職□□様』や『○○寺 御裡 住職□□僧正様』
神社への正しい宛名書き
お寺よりもさらになじみ深くないのが神社ですね。
といっても神社に手紙や郵便を出すときにも基本的にはお寺の場合と同じです。
神社宛に出す場合には、『○○神社 御中』が一般的。
宮司さんや権禰宜宛てに出したい場合には、個人名の後に『様』の敬称を使って書きます。
『○○神社 宮司□□様』や『○○神社 権禰宜□□様』という感じです。
もしくは
『○○神社 宮司□□様』や『○○神社 権禰宜□□様』
そこまで厳格なルールは要求されない
ここまで宛名書きを解説してきましたが、実際にはそこまで厳格なルールやマナーは要求されていません。
法要や祈祷など、一般の人が僧侶に対して手紙を出すときにお寺や神社側もそこまで厳しく見ることは基本的にありません。
そのため、『○○様』と単純に書いていたとしても、恥をかくというわけではありませんので、今までこのように書いてきた人も過度な心配は無用だということですね。