プロ野球選手が精神修行のために行い、一般的にも有名になった護摩行。燃え盛る炎の前で一心不乱にお経を唱え続ける姿は勇ましくもあり、また神秘的でもあります。
ただ実際、護摩行をやって本当に効果があるのか?そもそもどんな効果があるのか?疑問に思っている人も多いと思います。
そこで、ここでは護摩行を行うことで得られる効果とその意味を分かりやすく解説していきます。
また、関東地方で護摩行を一般人が体験できるお寺とその値段もまとめていますので参考にしてみてください。
目次
護摩行は現世利益を願うもの
護摩行について第一に知っておかなければならないのは、護摩行=現世利益(げんせりやく)を願うものだということ。
一般的に仏様とかお坊さんの修行というものは他社の健康や世の中の平和を願ったりするものです。しかし、護摩行というのは自分自身の願いを仏さまに伝え、その願いを成就させようとするものなんです。
護摩行をして本当に願いが叶うのか?って思う人も多いと思いますが、それは自分次第です。別に護摩行を行ったからといって願いが必ず叶うというものではありません。
本当に自分の願いや理想の自分になるためには、護摩行の目的やその意味を知らなければなりません。
護摩行は一種の自己洗脳をすることで理想に近づく
誤解を恐れずに言えば、護摩行というのは一種の自己洗脳です。洗脳というと悪いイメージを持つかもしれませんが、何か辛いことを乗り越えたり、やりたくないことをやらなければいけないときには誰でも自己洗脳をするはずです。
特に、スポーツ選手にとってはこの事故洗脳はとても重要になってきます。以前、阪神タイガースの新井選手が護摩行を行ったとき、金本監督に以下のように言われたといいます。
「護摩行をやったから打てるというわけではないが、苦しく痛い行を耐えることで、何か苦しいことがあったときに乗り越えるための大切なものを得ることができる」
このほかにも、横浜ベイスターズの石川選手が滝行に挑んだとき、以下のように話していました。
「メンタルにムラがあるので、苦しい時やつらい時に、そこを乗り越えられるヒントをつかみたかった」
メンタル面が結果に大きく影響するスポーツ選手にとっては、常に平常心を保てる一種の自己洗脳がとても大切になってくるのです。
護摩行は燃え盛る炎の前で長時間熱風を受け続けることによって、不動の心を手に入れることができるとされています。
何事にも揺るがない不動の精神力というのは抽象的に思われるかもしれませんが、スポーツだけでなく仕事や日常生活、すべてにおいて重要な要素になってくるものです。
関東で護摩行の体験ができるお寺と値段
護摩は基本、護摩祈祷という形になっていて一般の人たちから集めた護摩木を僧侶が念じながら祈祷する一種のイベントとして行われます。そのため、普通は修行体験という形で一般の人の受け入れはしていません。
ただ、関東地方でも一部一般の人に体験修行を行っているところもあるので、2018年現在でも護摩行体験をすることができる関東地方のお寺をいくつか紹介します。
ちなみに参加費用についてはお寺によって開きがあるものの、おおむね1万円~2万円程度です。護摩行は修行体験のなかでも非常に貴重なものなので、それを考えればそこまで高い費用ではないでしょう。
大本山神瀧山清龍寺不動院・別院清龍寺観音院
埼玉県和光市にあるお寺です。大きなお寺ではないものの、気軽に護摩行体験をすることができます。
本能寺の変により織田信長が自害したとき、僅かな部下と共に、大阪の堺にいた家康公は、人生最大の危機を迎え、三重県の伊賀を超え自城の岡崎城への多難な伊賀越えが始まる。
この人生最大の危機に瀕した家康公とその一行を救い、三重の白子の浜から船で脱出させてくれたのが、服部半蔵を頭領とする伊賀忍者。
恩義を感じた家康公は後に、同じ白子の地名のある、埼玉県和光市の白子一帯を領地として与えた。この地にある名刹の清龍寺不動院を、伊賀忍者は出城として、江戸城の警護に日々出仕していた。
高尾山薬王院
東京八王子市にあるお寺です。子供向けの修行体験も毎年行っており、山を練り歩く回峰行も実施しています。1泊2日の修行体験の最終日に護摩行を行います。
正式名称「高尾山薬王院有喜寺」は今から1260余年前の天平16年(744)に、聖武天皇の勅令により東国鎮守の祈願寺として、高僧行基菩薩により開山されました。薬王院の名は創建当初、薬師如来をご本尊とした事に由来します。現在は真言宗智山派の大本山として「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」「高尾山薬王院」が三大本山として知られております。
福聚山東海寺
栃木県宇都宮市にあるお寺です。非常に親しみやすいお寺で、SNSなどの活動も積極的に行っています。こちらも子供体験などを実施していますので気軽に参加できるでしょう。
当寺は、鎌倉時代の寛喜二年(1230年)小山城主朝比奈兼秀の孫和田新兵衛朝盛が出家し円覚に改め開創したのが縁起とされています。現在では、ご供養・ご祈祷・体験修行などのために、多くの方がお詣りに訪れる寺院です。
野球選手の護摩行で有名な最福寺
関東地方ではありませんが、野球選手が護摩行を行うことで知られている最福寺も紹介しておきます。正式名称は烏帽子山最福寺といい、鹿児島県鹿児島市平川町にあるお寺です。
日本の護摩行体験ができるお寺の中でももっとも炎までの距離が近く、火傷覚悟の護摩行になります。本気の覚悟がある方はぜひ参加してみてもいいかもしれません。