逮捕者数が年々増加!マネーロンダリングの具体的方法と過去の事件

ビジネス

日本では資金洗浄とも呼ばれるマネーロンダリング。この犯罪は年々増加傾向にあるといわれています。

ある統計では大小合わせると年間400件弱も発生しており、ニュースなどで大々的に報道されるマネーロンダリング事件は氷山の一角に過ぎないということが分かります。

ただ、マネーロンダリングという言葉は聞いたことがあっても、そのマネーロンダリングがどのように行われているのか?どのような方法があるのか?は意外と認知されていません。

そこで、ここではマネーロンダリングの具体的な方法と過去に実際に起きた重大事件を分かりやすく取り上げてみたいと思います。

どのように行われる?マネーロンダリングの具体的方法

まずマネーロンダリングの基本から押さえておきましょう。マネーロンダリング=資金洗浄は読んで字のごとく『汚れた資金(お金)を綺麗にすること』を言います。

ここでいう汚れたお金というのはいわゆる犯罪で得られたお金であり、これを犯罪とは無縁の綺麗なお金にすることをマネーロンダリングというわけですね。wikipediaでは以下のように解説されています。

資金洗浄(しきんせんじょう)とは、犯罪によって得られた収益金の出所などを隠蔽してあたかも正当な手段で得た資金と見せかけることで、一般市場で使っても身元がばれないようにする行為である。「マネー・ローンダリング」「マネー・ロンダリング」(英: money laundering)などとも言う。

マネーロンダリングにはどんな方法があるの?

それでは具体的な方法に関する話です。

マネーロンダリングはお金の出所を分からなくするために行われるものですので、警察などの捜査機関がお金の流れを追えないようにするのが常套手段です。

代表的なのがお金をモノに替えるという方法です。

例えば、犯罪によって得たお金を金券などのものに替え、それを再度売り飛ばしてお金に換金します。

現実的に考えるとこれだけでは追われてしまいますが、これを何度も繰り返すとお金の流れが複雑になり、捜査機関がお金の出所を把握できなくなってしまう(証拠がつかめなくなってしまう)ということです。

このほかにも有名な方法としてはカジノを利用する方法もあります。カジノ運営者と共謀し、カジノで大金を賭けてわざと負けます。カジノで負けるということはカジノの収益になるわけです。

そして、その後に別の人がカジノで勝ち、負けた分の資金を取り戻します。こうすることで、一度カジノの売上になった資金は出所がわからなくなり、捜査機関も追うのが難しくなるというわけです。

仮想通貨によるマネーロンダリングも

一時期日本でも大ブームを引き起こした仮想通貨もマネーロンダリングの場として利用されているようです。

犯罪資金を仮想通貨に交換し、それを別の仮想通貨に次々と交換していくことで出所を追うのが難しくなります。

しかも、仮想通貨の場合にはお金に戻さなくても買い物をすることができるため、マネーロンダリングもやりやすいといわれているのです。

事実、すでに仮想通貨を利用したマネーロンダリング事件が世界では起きています。

マネーロンダリングで逮捕された実際の事件

過去に逮捕者が出たマネーロンダリング事件を紹介します。

2017年に日本で起きた巨額マネーロンダリング事件

2017年に日本で起きたマネーロンダリング事件で、27億円もの資金が洗浄されたと報道されました。

海外で得た犯罪収益を日本の金融機関でマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、大阪府警などが組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)や詐欺の疑いで、ナイジェリア人や日本人の男女計14人を逮捕し、起訴されていたことが18日、府警への取材で分かった。確認された送金総額は約27億8千万円に上り、国内で摘発された資金洗浄事件としては最大規模とみられる。

大阪や兵庫など4府県警は同日、確認された送金総額のうち、平成26~27年に米国など12カ国から約16億1千万円が国内の金融機関約40口座に送金され、約12億8千万円が引き出された分を裏付けて送検し、捜査を終えたと発表した。

府警によると、送金されたのは、海外の犯罪グループが米国やカナダなどの企業の取引先になりすました「ビジネスメール詐欺」などの被害金。自動車部品などの「商品購入代」と装うなどして日本の口座に振り込まれていた。

仮想通貨によるマネーロンダリング

イスラエルで行われたビットコインを利用したマネーロンダリング事件です。

同様の手口による事件がフィンランドでも行われており、こちらは麻薬の売上金を洗浄する目的で行われたマネーロンダリング事件です。

イスラエルのヘブロン州検察局のサイバー犯罪部は、800枚以上のイスラエルのクレジットカードを使って2万件の不正取引を行い、ビットコインを使ってマネーロンダリング(資金洗浄)を行った疑いで、地元住民ヒルミ・ギット(Hilmi Git)を月曜日に起訴した。

テルアビブの地方裁判所に行った起訴状によると、ギットが行った不正取引は約280,000ドルを上回り、10年間にわたって800万ドル以上を資金洗浄したとしている。 800万ドルはビットコインの形で保管され、州は少なくとも1,071のBTCを彼の拘留中に没収する予定だ。

ギットの訴訟は10年に及んでおり、彼は資金洗浄を行うために多くの異なるフォーラムやウェブサイトを設置、幅広い犯罪者ネットワークを通じてクレジットカード詐欺を行い、コンピュータに遠隔アクセスして資金を奪う方法を他の犯罪者に教え、無防備なユーザーを自分の詐欺サイトへ誘導したと、州検事は主張している。

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