魚を食べるときに一番心配なのは、寄生虫の有無ですよね。
魚に寄生するものとしてはアニサキスが有名ですが、これは人間にも寄生して、生きたアニサキスを間違って食べてしまうと激しい腹痛や吐き気をもよおします。いわゆる、アニサキス症と呼ばれている症状ですね。
実際に日本でも年間数千人もの人がこのアニサキス症を発症するといわれています。
ところで、魚のなかでも日本の過程で良く食べられるのがアジです。生でも干物でも、日本で古くから愛されていますよね。
アジは港釣りなどでも比較的簡単に釣れるため、趣味の一環で自分で釣って食べている人も多いと思います。
そこで、ここではアジに住み着く寄生虫とその対策方法を紹介します。
また、どうしても生で食べたい場合、なめろうにしてしまえば寄生虫の心配はないのか?といった点についても解説します。
アジに住み着く寄生虫
アジに住み着くといわれている寄生虫としては、以下の2つが代表的です。
- アニサキス
- ウオノエ
アニサキスは冒頭で紹介した通り、非常に有名な寄生虫ですね。
小さい線状の寄生虫で、肉眼でも確認することが可能できます。
一方、ウオノエというのはダンゴムシや近年有名になったダイオオグソクムシと似た姿形をしています。
大きさとしては、アニサキスよりも大きく、目で見ただけではっきりと確認できるほどの大きさですね。
ウオノエはタイノエやウオノコバンというような呼ばれ方をすることもありますが、すべて同じものを指しています。
この2つの寄生虫の最大の違いは、住み着く場所と人体への影響です。
これをまとめると以下のような感じです。
寄生場所 | 人への影響 | |
---|---|---|
アニサキス | 魚のはらわた | 有害 |
ウオノエ | 魚の口の中 | 無害 |
これをみてわかる通り、ウオノエは見た目こそグロテスクで食べる気がしませんが、例え食べてしまったとしても心配はいりません。
というよりも、アジの頭を食べない限り基本的には体内に入ることもないので、そういった意味でも心配はいらないでしょう。
ということで、アジの寄生虫で警戒しなければならないのは、アニサキスだけということになりますね。
アニサキスが死滅する条件
アニサキスが心配な場合には、原則として生で食べないことが大切です。
アニサキスは60℃以上で1分以上の過熱をすると死滅するといわれており、70℃以上なら即死するので加熱調理が有効であることが分かりますね。
一方、低温はマイナス20℃で24時間以上の冷却が死滅の条件とされているので、一度完全に冷凍をしても死滅させることができるということになります。
ただ、日本で販売されている冷凍庫の温度の基準はマイナス18℃以下ですので、家庭によってはマイナス20℃に届いていないということも考えられます。
そのため、アニサキス対策という意味では加熱調理が安心です。
なめろうにしてしまえばアニサキスの心配はない?
加熱調理をすればいいのは分かったけど、生のアジを食べたいんだよっ!!
って人も多いと思います。
私自身、アジの刺身が大好きですし、お寿司のネタとしてもアジは必ず食べるほど生のアジが好きです。
完全に安全な状態で生のアジを食べるには?と考えたとき、ひとつの疑問が出てきます。
それが『なめろうにすればアニサキスは死ぬのか?』という話です。
結論から言うと、なめろうのような調理方法を取った場合にはアニサキスに感染する心配はほとんどないといっていいでしょう。
なめろうはアジの身を細かくたたきますので、その際にアニサキスも細かく砕かれてしまいます。
アニサキスは物理的な破壊には弱いので、細切れにされればその時点で死滅してくれます。
ただ、害はないとは言え、アニサキスの混ざったなめろうは食べたくないですよね(^-^;
ですので、なめろうにする場合でも叩く前になるべく念入りに確認はするようにしましょう。