丼型の保温弁当箱は季節によって腐る?知らないと危ない常識

ライフハック

学生だけでなく、社会人になってもお弁当箱にお世話になっている人は多いともいます。

昔は箱形のお弁当箱しかありませんでしたが、時代は変わって筒形の保温弁当箱(通称丼型)というものが出てきましたよね。

私が学生時代からあるので、結構前からあるものだとは思うんですが、この保温弁当箱って衛生的にどうなの?という声がよく聞かれます。

特に夏場だと食材が腐ってしまうんじゃないか?と懸念する声も多いです。

意外と考えずに使っていた・・・という人も多いと思うので、ここで正しい知識を身に付けておきましょう。


夏場でも腐らない!はウソ

ネット上で情報収集をしていると、『保温弁当箱は外気に影響されないので夏場でも問題ありません!』みたいな内容が見つかりますよね。

でも、これウソです。そんなことあり得ません。

保温弁当箱が外気に影響されないというのは正しいですが、それと腐らないことはイコールではありません。

正しくは、弁当箱の内部の温度によって腐るか腐らないかが変わってきます。

お弁当箱に食材を詰めたときの温度はどれくらい?

内部温度が重要なのは、保温弁当箱というものが特性上、外気に影響されないからです。

もちろん、多少は影響されますが、夏であっても冬であってもお弁当箱の中身の温度はそれほど変化しません。(季節によって内部の温度はそれほど変化しないということ)

では、なぜ内部の温度が重要なのか?というところを科学的な視点から解説していきたいと思います。

食中毒を引き起こす可能性のある菌が繁殖するのは10℃以上60℃未満

一般的に家庭の食材で食中毒を引き起こす可能性がある菌としては、以下のようなものが挙げられます。

  • サルモネラ菌
  • 腸管出血性大腸菌(O157)
  • カンピロバクター
  • 腸炎ビブリオ
  • ボツリヌス菌

カンピロバクターから上がよく見られる菌で、それより下に関しては食中毒の原因としては稀です。

これらの菌が繁殖しやすい温度を実際に調べてみると、10℃~60℃の間が一番繁殖しやすいといわれています。

そして、この温度下で時間が経てばたつほど菌は増殖していきます。

保温弁当箱というのは内部の温度を一定に保つわけですから、このことからも内部の温度が非常に重要であることが分かりますよね。

ここからわかるひとつの結論は、『お弁当箱に詰めるときの食材の温度は10℃以下か60℃以上であることが重要』ということです。

どれくらいの時間温度を保っていられるのか?

ここで重要になってくるのが、普通にお弁当箱に食材を詰めたとき、大体どれくらいの温度になっているのか?ということと、保温弁当箱のなかに入っている食材はどれくらいその温度を保っていられるのか?ということですよね。

食材を入れるときの温度に関しては、10℃以下にした場合、ご飯も汁物もおかずも、冷たすぎて保温弁当箱に入れる意味がありません(笑)

ですので、基本的には60℃以上を保つように入れるはずです。

これを想定して話を進めると、大体炊飯器で保温したご飯を詰めたときの温度が90℃~85℃くらい。

これを保温弁当箱に入れて放置すると、だいたい4時間程度で60℃を下回るということがある実験結果でわかっています。

ここからわかるのは、お弁当箱に詰めてから4時間程度であれば全く菌の繁殖を気にせず食べれるということですね。

5時間や6時間後のお弁当を食べるのは危ないの?

それじゃあ5時間後とか、6時間後のお弁当を食べるのは危ないのか?っていう話になりますよね。

ただ、これは必ずしもそうとは言い切れません。

上に挙げた食中毒を起こす菌も、1つや2つ体内に入ったくらいでは全く問題ありません。

細菌の種類によって分裂の速度や増殖の割合も異なるので一概には言えませんが、一番増殖速度の早い腸炎ビブリオは10分で2倍に増えるといわれています。

ここから考えると、1時間後には32倍、3時間後には1万倍になっている計算です。

1万個の細菌が体内に入ると、さすがに食中毒の危険があるので、許容範囲は1時間半程度といったところでしょう。

これを踏まえて改めて考えると、お弁当を作ってから約5時間半程度であれば問題ないということになりそうです。

夏の季節は食材が傷みやすいので、お弁当に関しても神経質になると思いますが、今回の内容を参考にして安全なお弁当作りをしてみてください。

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