慶應義塾大学といえば、日本の私立大学では最難関大学として知られる有名大学です。

そんな慶應義塾大学には通信教育課程があります。

通信教育課程とは、その名の通り、大学に通学することなく動画講義やレポートなどによって単位を修め、大学卒業を目指す課程のことをいいます。

慶應義塾大学は私立のなかでも学費が高いことで有名な大学でもありますが、通信の場合にはその数十分の一という超低価格での卒業が可能です。

これだけを聞けば通信最高!ってなりますが、実際のところはどうなのでしょうか。

ネットで調べていると、『通信課程は卒業してもしなくても同じレベル』などという記述も見られますが、本当にそうなのでしょうか。

噂や憶測が飛び交っていますので、ここで実態をまとめてみたいと思います。

スポンサーリンク


慶應義塾大学通信課程の概要

慶應の通信教育課程は1948年に創設され、60年以上の歴史があります。

そんな古い歴史のなかで、多くの学生が学んできました。

慶應通信とはいったいどのようなものなのでしょうか。

通信があるのは3学部

現在、通信教育課程があるのは法学部、経済学部、文学部の3学部のみです。

慶應義塾大学には理系学部も充実していますが、通信教育課程では理系学部はないので注意しましょう。

理系学部は文系の学部と違い、実験や実技系の授業が多くなってしまいます。

例えば、化学系の学部を考えてみると、実験室を使った実験や、それを基にしたレポート作成などは必須になりますので、どうしても通信では難しいという理由から他大学でも理系学部に通信があるところはほとんどありません。

ただ、法学部と経済学部はいずれも慶應では看板学部です。一般入試でも非常に人気の学部ですし、慶應の高等部からの内部神学でも、この二つの学部は人気があります。

そんな法学部と経済学部に通信があるというのは入学者とすれば非常に嬉しいですね。

入学方法

慶應通信の入学方法は一般入試とは異なり、基本的には書類選考のみで合否が決定します。筆記試験や面接などは原則ありません。

ただし、提出書類と一緒にレポートを提出する必要があります。レポートは入学を希望する学部に沿ったテーマの本を指定され、その本についてのレポートを執筆するというものです。

審査対象は明らかにされていませんが、基本的な書類では高校卒業という学歴や職歴など、最低限の内容が見られると思っておくといいでしょう。

レポートに関しては、基本的な学力や知識、文章力をチェックするもので、厳格な審査が行われているわけではないといわれていますが、その他にその人の学力を判断する要素がないため、このレポートが事実上の審査対象と考えることもできます。

通信の入学時期としては4月入学と10月入学の2種類があり、10月入学をした場合にも学習の進め方次第では4月入学の学生と同じタイミングで卒業することが可能です。

願書などは慶應通信のホームページから請求できる入学案内に同封されています。

単位の取得方法と学習方法

通信課程も通常の通学生と同様に単位制です。卒業までに必要な単位数が決められており、必修科目と自由科目のそれぞれの単位を満たすことで卒業資格が与えられます。

通信課程の単位認定は、大きく分けて二つ。スクーリングというものと、レポート提出があります。

スクーリングは実際にキャンパスへ行き、対面式の授業を受けることをいいます。オンラインの動画講義を通してスクーリングを行うeスクーリングという制度もあります。また、学士入学以外の場合には体育などが必修とされていますので、これもスクーリングでの単位認定となります。

一方、レポートはレポート課題集の課題に従い、テーマに沿ったレポートを執筆することをいいます。

法学部の場合にはレポートが多い傾向にあり、論文形式の文章をはじめて書く人や、そもそも文章作成が苦手な人にとっては非常に苦痛な作業になるでしょう。(卒業生談)
ただし、学部によってレポートの多さに差異はないという意見もあり。

入学から卒業までに必要な学費

通信課程は通学よりも遥かに安い学費で卒業することができます。これは通信の大きなメリットのひとつでもあるでしょう。

入学初年度は選考料や入学金などがかかってくるため、13万円程度ですが、2年目以降は原則10万円となります。これには教材費も含まれているため、非常に割安なのが分かるでしょう。

ただし、スクーリングは1単位につき5000円の授業料がかかります。

前述した通り、スクーリングには必修のものがありますので、最低でも卒業までに約30単位スクーリングを行わなくてはなりません。これはどのような学部でも基本的は同じです。

そのため、上記の学費に+15万円程度が加算されることになります。

また、最終年度には授業料などとは別に卒論指導料などがかかってきます。これは卒業試験の料金も含め、各学部一律3万円となっています。

以上の料金をすべて合計すると、4年間で順調に卒業できた場合には最低61万円程度で卒業することが可能ということになります。

学士入学の場合には、この金額の60%程度が卒業までにかかる最低の学費だと思っておくといいでしょう。

慶應通信は超難しい?驚異の卒業率

慶應通信には入学の際に選考として学力試験がありません。そのため、高校を卒業している人であれば原則誰でも入学することができてしまいます。

ただし、誰でも卒業できるか?というとそんなことはなく、慶應通信の卒業率は全国の大学のなかでも屈指の低さを誇っています。

正確な卒業率というのは公式に公表されていませんが、一般的には3%程度といわれています。

100人いたら3人しか卒業することができないというのは、普通の大学ではなかなか考えられないことでしょう。

たしかに大学は高校と違って途中で退学していく人が多い傾向にはあるものの、それを考慮しても驚異的に低い数字です。

みんな気になっている通信と通学の違い

おそらく、多くの人が気になっているのは通信課程と通学課程違いではないでしょうか。

ネット上には憶測が多数流れていますので、ここで違いを押さえておきましょう。

学位記や卒業証明書は通学と同様だが、成績証明書は違う

もっとも不安に思っている人が多いと思われる部分ですね。卒業後に通信制は慶應大学の卒業生としてちゃんと扱われるのかどうか?という部分です。

結論からいえば、これは扱われるといっていいでしょう。

学位も通学と同様の学位が渡されますし、卒業証書に関しても通学のものと同様です。

つまり、通信課程の法学部を卒業したのであれば、学位は法学士であり、卒業証書に通信課程という記載はされません。

ただ、成績証明書という紙には通信課程の記載がなされます。

ネットなどを見ていると、就職の際に通信課程ということが分かってしまうと受け入れてもらえないということをいっている人がいますが、これは大きな誤解です。

たしかに、一部の大手のような学歴フィルターがバリバリあるという企業では同様に見られないかもしれませんが、普通の大手企業であれば問題ないでしょう。

というのも、慶應通信はその卒業率を見ても分かる通り、非常に卒業が難しいからです。慶應に在学しているからといって凄いといわれなくても、通信課程は卒業すれば相当な学力を持っているということになります。

実際に慶應通信の卒業生で大手有名企業に就職をした人を知っています。

学生証の色が違う

通信と通学では、学生証の色が異なります。

通学は白色の学生証ですが、通信の場合には水色です。

また、在籍学部の横に、通信の場合には『通信教育課程』という記述がされています。

どんな人が入学している?

慶應義塾大学の通信教育課程には、高校を卒業してすぐに入学をする人や、いったん社会人になってから再度学びたいと思い入学をする人、大学を卒業してすぐに再度学びたいと思い入学をしてくる人などさまざまです。

ただ、そのなかでももっとも多いのはやはり社会人でしょう。一度社会に出て、昇進のために学歴が必要になった人や、学歴という理由ではなく、仕事において法律や経済学などの知識が必要で入学をしてくる人などです。

このような場合には、会社に勤めながら学習を進めていくため、卒業は非常にハードルが高くなりますが、それでもチャレンジをしようという向上心の高い人たちで溢れています。

社会人が多いということは、低い卒業率を見ても納得できることでしょう。

また、有名大学を卒業してから再度入学をしてくる人も意外と多い印象です。

慶應通信は卒業する意味がないのか問題

これはよく議論されていることですが、意味がない訳ありません。

よく、『慶應通信を卒業するならどっかのFラン大学を卒業していた方がまだマシ』などということをいう人がいますが、これはあり得ないでしょう。

たしかに、通信と通学では就職の際に与える印象が違うことは確かです。ただ、それであっても慶應通信の卒業の難しさは60年以上続く歴史のなかで世間的にすでに知れ渡っていることです。

企業の採用担当も、慶應通信がどのようなところなのか?ということを知っているでしょう。

通学と同様の卒業判定基準

通信と聞くとなぜかレベルが低いという印象があるみたいですが、通信とは単なる学習方法の違いであって、卒業しているのであれば学力は基本的に通学と変わりません。なぜならば、通学と同様の試験を突破して単位を認定してもらっているからです。

むしろ、入学後の定期試験やレポートの合否基準に関しては通信の方が通学よりも難しい傾向にあります。

また、卒業論文に関しても同様です。通学よりも高いレベルでのチェックがされる傾向にあり、一筋縄ではいきません。

実際に慶應通信を卒業した人に合えば分かりますが、非常に知的で、自ら進んで行動に移すことができる研究熱心なビジネスマンが多い印象です。

実際の就職状況はどうなのか?

就職状況は大学側からの公式のデータがないため、正確なことは分かりません。

しかし、個人的にはそこまで悪い印象ではありません。

慶應通信の卒業生を全員知っているわけではありませんが、慶應通信を卒業して大手企業に就職した人を知っているからというのが大きな理由です。

ただし、多くは社会人ですので、純粋に新卒として就職する人はほとんどいないということは注意が必要です。

働きながら慶應通信を卒業したということであれば、それは世間的にも大きな評価を受けることができるでしょう。

通信でも不合格はあり得る?不合格理由として考えられるもの

スポンサーリンク

通信でも不合格になることはあり得ます。入学願書を提出した人すべてが合格するとは限りません。

以前は願書を出せば下手なことをしない限り、だれでも合格できる時代がありましたが、今現在は合格が難しい傾向になりつつあります。

これは大学に入学してもすぐにやめてしまったり、すぐに来なくなってしまったりする人たちが過去に大勢いたためだと考えられます。

入学後にすぐにやめてしまう学生はあらかじめ入学段階で振り落とすことが入学のハードルを高くしている理由でしょう。

慶應通信を卒業、もしくはゆかりのある有名人

慶應通信に関連した人は意外と多くいます。以下がその一覧です。

山咲千里(芸能人) 慶応大通信教育課程文学部中退
高部知子(女優) 慶応大通信教育課程文学部卒業
原田まりる(タレント) 慶応大通信教育課程在学中
月見栞(AV女優) 慶応大通信教育課程法学部
本間千代子(歌手・女優) 慶応大通信教育課程文学部卒業
西村修(プロレスラー) 慶応大通信教育課程文学部在学中
矢口敦子(小説家) 慶応大通信教育課程文学部、中央大通信教育部法学部卒業
内田春菊(漫画家・小説家) 慶応大通信教育課程文学部中退
平山幸司(参議院議員) 関東学院大工学部第2部(夜間)卒業、慶応大通信教育課程法学部卒業

慶應通信課程に在籍する前に知っておきたい注意点

ここまで慶應通信に関する基本的な内容を紹介してきましたが、ここからは意外と知られていない注意点を紹介していきます。

通信課程といっても100%通信なわけではない

まず注意しなければならないのが、通信課程といっても100%通学する必要がないわけではないということです。

つまり、年に数回はスクーリングをする必要があるということです。これは地方に住んでいる人にとっては大きなデメリットになるでしょう。

スクーリングは必修ですので、かならず受けなくてはなりません。そのため、働きながら通うという人の場合には、冬や夏に長期休暇が取れないと厳しいです。

学費は授業料だけではない

学費が安くて魅力的な通信課程ですが、卒業までにかかるのは授業料だけではないということも注意が必要です。

例えば、上で紹介したスクーリング。もし地方に住んでいる場合には、スクーリングをするときに都内に出てきて一定期間宿泊する必要があります。

基本的にスクーリングは日吉キャンパスと三田キャンパスでしか行われていませんので、関東圏以外に住んでいる人にとっては授業料以上に交通費や宿泊費の方がかかるかもしれません。

また、コピー代や学校で配布される教材以外のテキスト代などもかかってきます。

コピーはレポート作成の際などに取ることが多くなりますので、年間を通して計算すれば結構な金額がかかってくるでしょう。教材費に関しても、大学で配られる教材だけで知識が整理できれば問題ありませんが、普通は難しいです。

そのため、入門書などを自分で購入すればそれなりにお金がかかってきてしまいます。

いわゆる『ザル科目』がない

大学の卒業基準は単位の取得です。卒業までに必要な数の単位を満たすことで卒業をすることができます。

そして、その単位の認定基準というものは、科目によって大きく異なってきます。

一度大学を卒業したことがある人や、現在大学に通っているという方はよく分かると思いますが、科目によって驚くほど簡単に単位をくれる科目があれば、その一方で単位認定が超厳しい科目もあるでしょう。

単位認定が簡単というのは、例えば出席をしてさえいればいいというような科目です。出席をしてさえいればテストの点数が悪くても、レポートが崩壊していてもなんの問題もなく単位を取得できる科目です。

さらに緩くなると、大学によっては出席すらしなくてもいいところもあります。実際はダメなんですが、大教室で行われる授業の場合にはいちいち出席を確認している暇もないので、授業の始まりだけいれば普通に単位がもらえてしまうような科目もあります。

このような単位取得が簡単な科目のことをいわゆる『ザル科目』と呼びますが、通信ではこのザル科目がありません。すべてレポート、もしくは試験で合格点をとらなければ単位認定をしてもらえない科目ばかりです。

普通の学生の場合、ザル科目がないというと、恐らく卒業できないという学生も多いはずです。大学によって異なりますが、全体の3割くらいはザル科目という大学もあります。

つまり、簡単に単位認定をしてもらえる科目がないため、通信は履修したすべての科目に対して深い理解を持っていなければならないということになります。

弁護士とか就職後のキャリアアップには最適

慶應通信について詳しく見てきましたがいかがだったでしょうか。

恐らく、読む前と後では慶應通信に対するイメージも大きく変わったはずです。

結論ですが、社会人のキャリアアップなどのためには非常に有効に活用できる大学です。

一度就職してから弁護士を目指したいという人もいいでしょう。慶應通信の法学部を卒業すれば、通常と同じように法科大学院の既習コースに入ることができます。

慶応以外にも、法学部の通信課程として有名なのは中央大学ですね。他にも魅力的な通信制大学はたくさんあります。

興味のある大学があれば以下から資料請求をしてみるといいでしょう。



慶應法学部出身で、慶應の法科大学院という経歴であれば法曹界でもそれなりの地位を築けます。

いずれにしても、自分が進みたい道や、やりたいこと、目標がある上での進学であれば、とても有意義な大学生活になることは間違いないでしょう。

スポンサーリンク