誰でも分かる電力自由化の仕組み!電線とかどうなる?

コラム
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電力の自由化がメディアでも連日報道されていますね。

電力を供給する会社が複数になって、大手電力会社の一社独占状態では無くなる、というのはなんとなく分かりますが、実際どんな仕組みなのか説明しろと言われるとよくわかりませんよね。

電気を供給する事業者が増えても電力を供給するための送電線が増えるわけではありません。
ましてや電気に名前が書いてあるわけでもないですし、色がついてるわけでもないのでどこがどのようにして売ったかをどうやって把握するんだろう?と思っている方は意外に多いと思います。

本格始動するのが2016年の4月と言われてますが、電気は現代社会を生きていく上では必要不可欠なものですので簡単にでも概要は理解しておくといいですよね。

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電力自由化ってどういうこと?

まず概要ですが、電力を自由化するということは冒頭にも書きましたが電力を供給する事業者を複数の中から選ぶことが出来るということです。
今までは地元の電力会社から電気を買っていましたが、契約先が自由に選べるようになるということですね。

ちなみにですが、今まででも契約電力が50kw以上の場合には電力は自由化されていました。
一般的な家庭では契約電力は50kw以下ですので多くの世帯では地元の電力会社から電力を買っているのですね。
特別高圧とされる2000kw以上や高圧とされる大口契約は2000年代初頭に自由化されています。

素朴な疑問

電力供給事業者が増えるとその電線は今までと一緒なのにどういう風にして見分けるの?という疑問は多くの方が抱えているようです。

これに関しては銀行を例にとると分かりやすいでしょう。
銀行は日本国内に沢山ありますが、お金にその銀行名は書いてありません。どこの銀行のお金かは分からないけど、どこの銀行からお金を引き出したのかは分かりますよね。
つまり送金と送電は同じような意味ということです。

どこの会社が発電した電力なのか?を判断する必要はなく、私たちがどれだけの電力を受電して、事業者がどれだけの電力を送電したか?という結果の数値だけを見ているということです。

私たち消費者のメリットは?

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私たち消費者が自由化によって受ける恩恵はどのようなものがあるのでしょうか?

やはりこのメリットとして挙げられる一番大きな部分はプランや料金が比較検討できるという点でしょう。
また、事業者同士が選ばれるために競争を激化させ、価格競争に拍車を掛けるというのも挙げられていますね。

電力供給事業へ新規参入する会社が増えることで、当然価格にも開きが出てきてその価格にも競争が起きます。
事業者同士で勝手に価格競争をして、勝手に値段を下げてくれるのですから私たちにとってはメリットだらけです。

しかし、実際そんな上手くいくのでしょうか?

電力自由化は私たちのためではなく事業者のため?

上に書いたような内容は既にニュースや新聞などでも解説されていることですが、実際はそんなにうまくいくのか心配になりますよね。

新規参入者を増やすことで価格競争が起こるという原理は分かりますし実際に下がるのでしょう。
でも、下がる可能性がある一方で上がる可能性も指摘されているのです。これはほとんどテレビなどでは語られることがありませんがご存知でしたか?衝撃的ですよね。

実際に日本でこれからしようとしている電力の自由化は海外の国々では既に実施されています。
そしてここからが不安要素なのですが、その諸外国の多くは価格の値上がりや大停電という問題に実際に直面しているのです。
もうすでに起きている問題ですからこれから経験するのかと思うと不安にもなりますよね。

この代表的な例がヨーロッパ諸国です。
ヨーロッパでは既に電力自由化がされていますが、そもそも電力を生み出すための燃料費(火力発電など)が高騰して値上がりせざるを得ない状況にあります。

日本も電力の自由化に踏み切った経緯の中には、東日本大震災で原発が事実上停止になり、電力発電のその多くを火力発電や水力発電などほかの発電源に頼るようになりました。
計画停電とか、関東の方は震災のとき経験したと思います。
この震災によって被災地の方だけでなく全国的にエネルギー政策への関心が高まったことで電力の自由化が一気に推し進められる形になりました。

この経緯を考えてみると、燃料費や再生可能エネルギーの買い取り費用の高騰は可能性として大いに考えられますね。

またアメリカで起きた大停電は需要と供給のバランスが崩れたことにより生じた問題です。
この安定供給に関する部分は電力会社が担いますが、日本でも可能性はあります。

まとめ

実際にこうやってみていくと良いのか悪いのか分からない制度ですが、既に決定したことを今さらとやかく言っても仕方ありません。

この制度の中で正しい知識を身に着けてリスクを最小限に抑えながらベストな決断が出来るようになると良いですね。

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