アインシュタインの相対性理論を子供向けに解説してみた

サイエンス

現代物理学において、重要な発見は数知れずありますが、そのなかでも一般の人にも良く知られている理論といえばアインシュタインの相対性理論でしょう。

ただ、この相対性理論、かなりのくせもので、なかなか分かりやすく説明することができません。

あまりに有名すぎるために、小学生でも『相対性理論ってなに?』という疑問を持つ子供も少なくありません。

そんなときに大人としては分かりやすくポイントを解説してあげることができればいいのですが、それが難しいのが相対性理論です。

ここでは、そんな相対性理論を子供向けに分かりやすく解説してみました。

難しい数式や物理法則(専門用語)などは極力使わずに解説しています。

大人が子供に教えるとき、もしくは子供自身が読むことを想定して書いたので、ぜひ参考にしてみてください。


この記事を読む上での前提

予め押さえておいてほしいのは、ここの内容だけで相対性理論が理解できるようになるわけではないということです。

おそらく、その道の専門家から見たらとんでもなく抽象的でアバウトな説明になっていると思います。

ただ、そこを詳しく解き明かすためにはどうしても数式や物理法則を使っていかなければならないので、その点はご了承ください。

『相対性理論とは、大体このようなものなんだよ。こういうようなことを言っているんだよ。』という感じで受け取ってもらえればと思います。

相対性理論を一言でいうと・・・?

相対性理論のなかには、大きく分けても6つの結論があります。

そのため、一言で言うのは大変難しいのですが、小学校低学年くらいの子供に対して説明をするとすれば以下のような説明がいいでしょう。

熱いストーブの上に一分間手を載せてみてください。まるで一時間ぐらいに感じられるでしょう。ところがかわいい女の子と一緒に一時間座っていても、一分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性というものです。

知っている人も多いかもしれませんが、実はこれアインシュタイン本人が語った内容です。相対性理論を一般の人にもわかるような形で、たとえ話とともに語っています。

文章のなかにもあるように、これは正確にいうと相対性理論ではなく、相対性に関する説明です。

ただ、相対性理論はこの『相対性』というものがベースになっている理論なので、上の説明でも相対性理論のイメージは掴めるはずです。

相対性理論をもう少し詳しく

小学校低学年くらいまでであれば上の説明で良いと思うんですが、小学校高学年~中学生くらいになったらより詳しく理解してみたくなるはずです。

そのときには、まず相対性理論で導き出される6つの結論から押さえておきましょう。

  1. 光速に近づくと、時間の流れが遅くなる
  2. 光速に近づくと、空間が縮む
  3. 光速に近づくと、質量(=エネルギー)が増える
  4. 質量とエネルギーは同じもの
  5. 重力は空間(光)を曲げる
  6. 重力は時間を遅らせる

このうち、1~4までは特殊相対性理論から、5~6までは一般相対性理論から導かれる結論です。

相対性理論というのは、特殊相対性理論と一般相対性理論にわかれます。

そのため、『相対性理論とは結局何か?』と聞かれたら上の6つの結論を導く理論であるというのが最も分かりやすく、なおかつ正確な回答だと思います。

奇抜すぎて結論を信じられない

相対性理論は、上の6つの結論を導く理論であることが分かりました。

この6つの結論を導く(証明する)ためには、さまざまな物理法則と難解な数式を組み立てていかなければなりません。

そして、実際にアインシュタインの書いた相対性理論に関する論文は世界中で研究され、その理論が数学的・物理学的に正しいことが証明されています。

しかし、一般の感覚から言ったら上の6つの結論を『はいそうですか』と簡単に信じられないという人が大半のはずです。

特に、結論の5つ目にある『重力は空間(光)を曲げる』とか、6つ目の『重力は時間を遅らせる』という一般相対性理論の内容はとても奇抜に聞こえます。

そもそも空間が曲がるとか、ゆがむってどういうこと?と思う人も多いはずです。

ただ、一見すると証明が困難に思えるこの2つの結論も、実験によって本当に起こることが証明されています。

一般相対性理論の物理的証明

一般相対性理論から導かれる『重力は空間(光)を曲げる』という結論に関しては、アインシュタインが論文を発表した数年後の1919年に自然現象として正しいことが観測されています。

1919年には日食が起きました。

日食は太陽が隠れる現象なので、通常時よりも太陽の光が弱まります。

太陽の周りにある星たちの光は、通常時には太陽の光によって遮られ、観測することができません。

しかし、日食の時であれば太陽の光が弱まるので観測できるだろうと考えられたんです。

そして、実際に太陽の近くにある星の光を確認したところ、驚くべきことに星があるはずの位置よりも若干太陽から遠い場所に光を観測したのです。

この不思議な現象は、巨大な質量を持っている太陽によって星の光(空間)がゆがめられたことを示しています。

当初、相対性理論に懐疑的だった学者たちも、この観測結果を知って腰を抜かすほど驚いたそうです。

一方、6つ目の結論である『重力は時間を遅らせる』というものに関しては、特殊相対性理論から導かれる『光速に近づくと、時間の流れが遅くなる』という結論とともに身近なもので証明されています。

その身近なものというのがGPSです。

GPSといえばカーナビが有名ですが、今の時代スマホなどにも内蔵されていますよね。

このGPSは地球の周りを高速で回る衛星から電波を受信することによって位置関係や時間を割り出しています。

この距離計算や時間計算を正確にするためには、相対性理論から導かれる時間の遅れを考慮しないと成立しないわけです。

つまり、カーナビなどが正常に機能しているということこそが何よりもの証明になっているといえるのです。

スポンサードリンク