古来から人間は空に浮かぶ星に対して色々な思いを馳せました。
人間が宇宙に行けるようになり、他の星の地に足を踏み入れることができるようになった現代でも、星空にはいろいろなロマンがありますよね。
そんな星のなかでも、夏の代表的な星座といえば、夏の大三角形でしょう。
ここでは小学生の自由研究のテーマとしてもよく使われる夏の大三角形について取り上げてみたいと思います。
夏の大三角形は秋まで観測できる!
一般に夏の大三角形や夏の大三角と呼ばれているこの星座は、デネブ、アルタイル、ベガという輝きの強い星3つを結んで描かれる三角形のことを言います。
※夏の大三角形は性格には星座ではなく、アステリズムという目立つ星を直線で結んだだけのものです。ただ、アステリズムという聞きなれない言葉を使うと分かりにくくなるので、本文では星座で統一しています。あらかじめ誤解のないようにしてください。
デネブははくちょう座という星座の1つを構成しており、アルタイルもわし座、ベガもこと座を構成する1つの星として存在しています。
夏の大三角形というと、夏にしか見られないと思われがちですが、実は日本においても9月後半くらいまで観測することができます。
さらに、北半球の地域においては、春ごろからでも見ることができるんです。
ただ、一番よく見える季節は7月なので、晴れた日の夜空を観察してみるとすぐに見つけることができるはずです。
夏の大三角形の見つけ方
夏の夜空を見上げてみてもどれが夏の大三角形なのかわからない!という人も多いでしょう。
そんな人のためにめちゃくちゃ簡単な見つけ方を伝授しましょう。
といっても見つけ方はとても簡単。
まず、夏の時期に夏の大三角形を見つけようと思っているのであれば、東の空のできるだけ高い位置を見上げてみてください。日本では夏の時期、夏の大三角形は空の高い位置にあります。
そして、大三角形を構成している3つの星のなかでも一番明るい『ベガ』を見つけましょう。
夏の夜空であれば、ベガより明るい星は存在しないので、とにかく一番明るいなぁと思う星を見つけてみてください。
そのベガを頂点に、左下、右下をそれぞれたどってみてください。
すると、ベガより左側で一番明るい星、ベガより右側で一番明るい星が見つかるはずです。
ちなみに、左側にあるのがデネブ、右側にあるのがアルタイルです。
補足として付け加えておくと、右側のアルタイルだけは結構離れているのでよくよく探してみるようにしましょう。
日本で語り継がれる七夕伝説
日本では7月7日は七夕として全国的にお祭りや願い事をしますよね。
七夕といえば、彦星と織姫という七夕伝説を小さいころに聞いたことがある人も多いはずです。
実は夏の大三角形を構成するベガは織姫、アルタイルは彦星なんです。
離れ離れになってしまった織姫と彦星は天の川の現れる7日7日を毎年楽しみにして、会えるのを待っているという話ですね。
この七夕伝説の起源は中国にあり、織女牽牛伝説(しょくじょけんぎゅうでんせつ)というのが元になっているといわれています。
中国でこの伝説が成立したのが紀元1~3世紀ころで、日本に伝わってきたのが遣唐使が頻繁に派遣されていた6~8世紀ごろといわれています。
子供ながらに七夕伝説は悲しい物語であったという記憶が強烈に焼き付いていますよね(^-^;
まとめ
夏の大三角形って子供の頃は必死になって探しましたが、大人になるとあまり関心がなくなってしまうものですよね。
星座自体に関心がないという人もいるかもしれませんが、都内の明るい地域であっても夏の大三角形くらい明るい星であれば見つけることは全然できます。
七夕伝説とともに夏の夜の空へ思いを馳せてみるのもいいんじゃないでしょうか。