寝言に返事はしたらダメ?良くないといわれる理由と衝撃のダメージ

サイエンス

『寝言に返事をしてはいけない』

どこかでこんな言い伝えを聞いたこともあるのではないでしょうか?

なんとなく聞いたことがあって、なんとなく信じている人の多いこの言い伝えですが、そもそもなぜこのように言われるようになったのでしょうか?

実は寝言に返事をすると、寝ている人に対して想像以上に大きなダメージを与えていることも。。。

ここでは寝言に返事をしてはいけないといわれている理由とその科学的根拠を紹介します。


寝言に返事をすると睡眠を大幅に阻害する

寝言に返事をしてはいけない理由を科学的に考えると、『睡眠を大幅に阻害する可能性があるから』というのが根拠になります。

寝言というのは睡眠のなかでも特に浅いレム睡眠の時に起こるといわれています。

レム睡眠のときに夢を見ているというのは有名な話ですが、これはレム睡眠のときに脳の活動が活発になっていたり、脳の一部が目覚めているためです。

寝言も夢と同じで、レム睡眠のときに脳の一部(言語中枢)が目覚めていることによっておこる現象だと考えられています。

脳の一部が目覚めているときに、寝ている人に対して何かを話しかけてしまう行為は、さらに浅い睡眠へといざなう行為だとされており、言語中枢以外のさまざまな部位を目覚めさせてしまうとのこと。

最悪の場合、夢遊病になる??

寝言に対して返事をしたり、話しかけ続けたりを長期間行っていると、最悪の場合、夢遊病などの病を発症するリスクがあるといわれています。

夢遊病というのは正式には睡眠時遊行症と呼ばれ、睡眠時に起こる異常行動のことを言います。

実はこの夢遊病に関してはいまだにわかっていないことも多く、慢性的に起こる夢遊病を患っている患者のほとんどが原因不明とされているのが現実です。

精神不安や精神障害、過度のストレスからくるものと考えられていますが、寝言に返事をすることがその一因になるってとても恐ろしいですよね。。。

このほかにも、レム睡眠行動障害や錯乱覚醒、夜驚症なども起こる可能性があるといわれています。

また、単純に寝言に対して返事をすると、さらに寝言が多くなり、睡眠の質を低下させると医学的には考えられています。

日本では古来からあった民間伝承

起源ははっきりしていませんが、日本では古くから寝言に対して返事をしてはいけないという民間伝承がありました。

民間伝承のなかで言い伝えられてきた理由としては以下のようなものがあります。

  • 現実世界に戻れなくなってしまう
  • 寝ている人の魂が戻れなくなる
  • 本音を語らせてしまう

日本ではこのような理由により、寝言に返事をしてはいけないと言い伝えられてきました。

現実の世界に戻ってこれないというものや、魂が戻れなくなるというのは寝ているときに人は魂が抜け出ているからという古くからの考えによるものです。

この考えから幽体離脱なども出てきたと考えられています。

寝言は病気の危険性を示唆している?

2016年7月に出された『NHK きょうの健康』という紙面のなかで、驚きの説が掲載されました。

なんと、寝言が多い人はうつ病や認知症の危険性を示唆している可能性があるというのです。

ただし、単純に寝言が多いだけではなく、以下の特徴に当てはまる人が危険なんだとか。

1.ハッキリとしゃべる
2.手足を激しく動かすなどジェスチャーが多い
3.起きたあと夢の内容を聞くと、寝言と寝相の動きと一致する

このような症状がみられる場合には、普通の人よりも脳の覚醒状態が長く、脳に何らかの異常がある場合が高いといいます。

条件に当てはまる寝言が多い場合には、認知症などの疾患に対して敏感になっておくことは必要かもしれません。

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