サイゼリヤってめちゃくちゃ安いですよね。
中学生とか、高校生の頃によくお世話になった人も多いんじゃないでしょうか?
私も中学生のころ、文化祭や体育祭の打ち上げというとサイゼリヤを使っていた経験があります。
大人になった今も、たまに行くと普通に味はおいしいし、1品1品の量は少ないけど、おなか一杯食べてもかなり安い。
そんなリーズナブルさは今でも感動します。
世間では、サイゼリヤのあまりの安さから『食材が危険なんじゃないの?』とか『粗悪な素材ばかり?』みたいなことも言われています。
でも、実際に安さの理由はそんなところではもちろんなく、徹底したコスト管理にあるんです。
これは個人で飲食店とかを経営している人でも学ぶところは大きいと思いますよ。
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理系ならではの徹底したコストカット
すでに知っている人も多いと思いますが、株式会社サイゼリヤの創業者はバリバリの理系です。
2018年現在、会長を務めている正垣泰彦(しょうがき やすひこ)氏は東京理科大学の理学部物理学科の出身。
理学部出身の経営者って飲食チェーンではかなり珍しいですが、彼は一代で見事にここまで大きくしました。
正垣氏は大学時代にアルバイトしていたサイゼリヤを大学在学中に譲り受けます。
とはいっても、当時のサイゼリヤはチェーン店ではなく、千葉に1店舗だけあった小さな洋食店でした。
ですので、正確には創業者ではありませんが、一代で巨大チェーンを築き上げたことから、実質的には創業者と呼ばれていますね。
バリバリの理系である彼がサイゼリヤをチェーン展開していく中で考えたのは、徹底したコストカットでした。
店を譲り受けた当初から徹底的な低価格路線で攻めており、この価格を実現するためには極限までコストカットをすることは必須の課題だったのです。
人件費や広告費などの余計な経費を徹底的に削減する
サイゼリヤの強みは余計なところに余計なお金を使わないことです。
例えば広告費。
サイゼリヤの広告って見たことありますか?
テレビCMとか新聞の折り込みとかでも、多分ほとんど見たことないと思います。
これは広告費に余計なお金を使わないという創業者の理念です。
広告費は確かにお店の名前を広げるためには大切な経費ですが、サイゼリヤはどこよりも安くリーズナブルな価格で料理を提供することによって、自然と口コミで広がっていく。
そのように考えているわけです。
いわゆる、バイラルマーケティングですね。
確かに、サイゼリヤのなかでも大人気のミラノ風ドリアの安さは、ついつい人に言いたくなってしまうほどの価格です。
この低価格路線のうえで、さらに広告費を使っていたら間違いなくサイゼリヤの経営は立ち行かなくなるでしょう。
さらに、人件費についても人の動きや調理システムなどを綿密に計算し、もっとも合理的かつ効率的な人数で運営をしています。
例えば、お盆を使わないというのも人件費節約の最たる例です。
お盆に乗せて料理を運べば当然安定はしますし、見栄えもいいですが、その分お盆を置いたり載せたりする時間が余分にかかるわけです。
この少しの時間さえも節約することで、最大のパフォーマンスを発揮できるような環境作りがなされているんですね。
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野菜なども直営栽培することでコストカット
ちなみに、サイゼリヤで使われている野菜などは自社直営の畑で栽培しているようです。
こうすることによって、余計なマージンを発生させることなく商品価格に反映させることができるという仕組みです。
このほかにも、クレジットカード決済を導入せず、現金のみにすることで手数料を節約したりすることでもコストカットを図っています。
超低価格なのにも関わらず、高利益率
驚くべきなのは、ここまでの低価格なのにも関わらず、外食チェーンとしては圧倒的な高利益率をたたき出していること。
以前、business journalの取材に対して人件費を徹底的にカットすることによって、利益率10%超えという高利益率をたたき出しているといっていました。
通常、飲食店の利益率は5%程度。
場合によっては3%程度という場合もざらです。
そんななかで倍以上の10%をたたき出すサイゼリヤの人件費の考え方は、中小企業の経営者にとってかなり大きなヒントが隠されているのではないでしょうか。
人件費をカットするというと、少人数で店舗運営をする=ブラックのようなイメージがありますが、サイゼリヤにそのようなイメージはありません。
確かに忙しいですが、巷で言われているようなブラック企業のそれとはまったく違います。
この数字は創業者である正垣氏から脈々と続く店舗運営ノウハウの積み重ねが可能にしているものんですね。