日本人にとってうなぎはソウルフードのような存在ですよね。
夏の暑い時期に体力をつけるために食べるという家庭も多いと思います。
そんなうなぎですが、スーパーとかでもよく見かける国産と中国産の表示。
一般的には国産=高級、中国産=安いというイメージがありますが、高級とされる国産のなかにもいろんな産地があります。
産地が違えば当然値段も違い、味やそれぞれの特徴も変わってきます。
ここでは国産うなぎにスポットを当て、国内のうなぎの名産地やそれぞれの特徴を見ていきます。
目次
産地の表記基準と天然・養殖の違い
まず、スーパーとかでよく見かける産地の表記がどのように決められているのか?という話です。
例えば、鹿児島県産と書かれていた場合、そのうなぎは生まれも育ちも鹿児島県なのでしょうか?
答えはNoです。
法律上の産地の表記基準というのは、あくまでも『シラスから出荷サイズになるまでに、一番長く養殖された場所』のことを指しています。
ですので、別に生まれがどこであっても良いわけですね。
一般的には日本各地からシラスウナギが集められ、これがそれぞれの養殖場に分配されていきます。
本当に高級なうなぎは天然もの
国産と聞くとなんでもよく聞こえてきますが、当然国産うなぎであってもそのほとんどは養殖です。
養殖の反対を天然といいますが、天然うなぎはめったに食べることのできない高級品です。
シラスウナギを取ってきて、それを養殖場で育てたものが養殖うなぎであるのに対し、天然うなぎはシラスウナギのときから食べられる大きさに成長するまで一度も人の手で育てられません。
ただ、高いからといって必ずしも美味しいというわけではないです。
人によって好みがわかれるところで、天然うなぎは養殖うなぎに比べて弾力と歯ごたえがあり、香りが強い傾向にあります。
うなぎの名産地はここだ!国内で評判のいい産地
2017年のうなぎの出荷データを見てみると、多いのは以下のようになります。
- 1位 鹿児島県
- 2位 愛知県
- 3位 宮崎県
- 4位 静岡県
- 5位 三重県
つまり、日本一の都道府県別の名産地は鹿児島県ということになりますね。
うなぎ=静岡とか、うなぎ=愛知というようなイメージを持っている人も多いと思いますが、静岡はだいぶ昔に、愛知は数年前に鹿児島に抜かれました。
実際にスーパーでよく見かける国産うなぎもほとんどは鹿児島県産だと思います。
ただ、より細かく見ていくと、愛知県西尾市にある一色町というところが一番の名産地といえるかもしれません。
愛知県は鹿児島県に全体で見たときのうなぎの水産量は負けていますが、市町村別で見た場合には愛知県の一色町が日本一になります。
ここの環境は素晴らしく、きれいな水と大自然のなかで養殖されるため、とても美味しいうなぎが育つんです。
産地ごとの特徴
上でみた水産量の多い上位3つの産地について、それぞれの特徴を見ていきます。
鹿児島県産の特徴
鹿児島県の養殖場のほとんどは大隅半島というところにあります。
ここは何と言っても大自然が特徴。
暖かい気候ときれいで栄養分がたっぷり含まれた地下水が豊富にあります。
養殖場のなかでも日本一自然に近い環境で育てられるとも言われており、肉厚なうなぎに仕上がります。
脂の乗りもよく、うなぎ本来の味がとても濃く残っているのが特徴です。
愛知県産の特徴
愛知県は100年以上の歴史を持つ古くからの養殖場がたくさんあります。
こちらも自然豊かな環境で育てられますが、昔から変わらぬうなぎが味わえるのが愛知県産の特徴でしょう。
愛知県で出荷されるうなぎの多くは新仔(しんこ)と呼ばれる養殖期間の短い若いうなぎです。
養殖期間が短いとそれだけ身も柔らかいため、口に入れるとほどけるようなふんわりとした触感が特徴です。
宮崎県産の特徴
宮崎県のうなぎはさっぱりとした味わいが特徴です。
脂の乗りに関しては鹿児島県産、愛知県産に引けを取るといわれていますが、まろやかでふんわりとしたうなぎには定評があります。
ちなみに、宮崎県では乾燥グァバを配合した餌を与えて養殖されたハーブうなぎなるものを独自に開発しています。
川魚特有の臭みがなく、さっぱりとした脂で、次第に知名度も高まっているようです。
天然うなぎの名産地
最後に、養殖ではなく天然うなぎの名産地を一覧で紹介しておきます。
- 利根川
- 四万十川
- 仁淀川
- 吉野川
- 木曽川
- 長良川
- 揖斐川
- 狩野川
- 浜名湖・都田川
いずれも歴史のある天然うなぎの産地で、どこのものも超高級品です。
都内の高級店などに出荷された場合、基本的には時価になりますが、相場としては一般的な大きさの鰻重で最低でも8,000円、高いものになると2万円近くまで跳ね上がることも。
確かに高いですが、人生で一度は食べてもいいかもしれませんね。