ご来臨の栄ってどういう意味?具体的な使い方も解説!

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日本には昔から使われている独特な挨拶や風習がありますよね。

そんななかでも、挨拶の冒頭に使われる言葉として『ご来臨』や『ご来臨の栄』という言葉があります。

見たり聞いたりしたことはあるけど、具体的にどんな意味で、どういうときに使うべき言葉なの?と思っている人は多いことでしょう。

ということで、ここでは『ご来臨の栄』という言葉の意味と、その具体的な使い方を解説していきます。


『ご来臨の栄』の意味

『ご来臨』というのは、出席することや来訪することを意味します。

来臨という言葉自体にこのような意味があり、それに敬語表現である『御(ご)』という字がついて『御(ご)来臨』です。

『ご来臨』という言葉単体で使われることもありますが、多くの場合には『ご来臨の栄』という使われ方をします。

ここで使われる『栄』というのは、栄誉といような意味です。

このように考えてみると、『ご来臨の栄』というのは出席してくださる栄誉というような意味になることが分かりますね。

具体的な使い方と使う場面

意味から考えてもわかるように、基本的にはパーティや結婚式などの会合に招待するときに使われます。

具体的には以下のような文章で書かれることが多いですね。

  • なにとぞご来臨の栄を賜りますようご案内申し上げます。
  • ぜひご来臨くださいますようご案内申しあげます。
  • ご来臨くだされば幸甚の至りに存じます。
  • ぜひ皆様お誘い合わせの上、ご来臨くださいますよう、ご案内申し上げます。
  • ご多忙のところ誠に恐縮ですが、ご来臨賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
  • ご来臨賜りますようお願い申し上げます。

『ご来臨』、『ご来臨の栄』どちらでも構いませんが、『ご来臨の栄』といったほうが若干丁寧に聞こえます。

また、招待するときだけでなく、参加してくれたことに対する感謝の意を伝える手紙などでも使われることがあります。

『ご来臨賜りまして、誠にありがとうございました。』

というような感じですね。

弔事に使用するのはNG

意味合い的には参加を促すものであっても、『ご来臨』を葬儀などの弔事に使うのはNGです。

『ご来臨』が使われるのは、あくまでも祝い事やめでたい席での招待に限られるということを覚えておきましょう。

弔事に使う場合にはご列席、もしくはご参列が正しい表現になります。

昔はよく使われていた表現

この『ご来臨』という言葉ですが、昔はよく使われていました。

結婚式などへの招待状には、『ご来臨の栄』という言葉が入るのが普通だったんですね。

しかし、今ではこの言葉が使われることは結構稀になってきていて、その代わりに『ご来席』という言葉がよく見られるようになりました。

そのため、『ご来席』という言葉は現代人でもかなり馴染みのある言葉だと思います。

ただ、ここで注意したいのが『ご来席』という言葉は本来正しい日本語ではないということです。

実は、この『ご来席』という言葉は『ご来臨』と『ご臨席』という2つの言葉が混同されて出来上がった言葉だといわれています。

現代人にとっては『ご来席』が心地よく聞こえても、正式な文章を書く時には『ご来臨』か『ご臨席』のどちらかを使うようにするといいでしょう。

『ご来臨』と同じ意味を持つ言葉

『ご来臨』と同じ意味を持つ言葉としては、『ご光来』、『ご来駕』、『ご枉駕』、『ご尊来』などの言葉があります。

これらの言葉は古来から日本で使われてきた言葉ではあるものの、あまり日常で使われることはありません。

『ご来臨』ですらとてもかしこまった言い方で、聞きなれない人が多い表現ですので、知っているからといって乱用するのは避けるのが無難です。

目上の人への案内状で使おう

『ご来臨』という言葉についてみてきましたが、一部では『ご来臨』や『ご臨席』という言葉は天皇陛下などのごく一部の限られた人物に使われるものだとされる意見があります。

そのため、丁寧な言葉だからといってむやみやたらに使うのはマナー違反とする意見もあるのです。

このことも考えると、自分より目上の人に贈る手紙や案内状にのみ使うのが無難でしょう。

人によっては言葉の使い方にシビアな人もいますので、このような言葉を使う際には気を付けたいものですね。

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