地球温暖化が嘘って本当?グラフから紐解く衝撃の真実

サイエンス

地球温暖化という言葉が叫ばれ始めて久しいですね。今では小学生でも地球温暖化というフレーズを知っているのがあたりまえになっています。

ただ、この地球温暖化って本当なのか?という懐疑論があるのも有名な話です。

みなさんもどこかで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

『実は地球温暖化は2000年を境に止まっている』とか、『地球温暖化とCO2排出量はまったく関係がない』とか。

その一方で、日本の気象庁を始め世界各国のメディアではこぞって地球温暖化は本当であると指示しています。

普通に考えれば公的機関が出している意見、つまり地球温暖化説を支持するのが普通ですが、懐疑論がここまで信じられてしまう理由には、地球温暖化を唱えることによって利益を上げている組織や団体が確かに存在するという点が大きいでしょう。

ここでは、この地球温暖化が嘘なのか?それとも本当なのか?ということをテーマに、できる限り1次情報をもとにして議論していきたいと思います。

ちなみに前提として、私は地球温暖化の説を支持もしていませんし否定もしていません。あくまでも信頼できる期間が提出しているデータを参考に、客観的な立場で議論しています。


結論=地球温暖化は進行している可能性は極めて高い

まず結論から述べておきます。

色んな意見があると思いますが、客観的にデータを分析していくと地球温暖化は進行している可能性が極めて高いと言わざるを得ません。

ただ、ここで重要なのはあくまでも可能性が高いというだけであって100%確実に言い切れるというわけではないということです。

地球温暖化問題というのは議論が非常に難しく、世界の研究機関でも意見が割れるくらいです。そして、地球温暖化に結び付く要因についても、まだまだ分からないことだらけです。

そのため、不確実性の高い部分があるのは事実ですが、だからといって地球温暖化が嘘かといわれればそんなことはないだろう、という話をここからはしていきます。

地球温暖化懐疑論を唱える人たちの見解

地球温暖化に対して懐疑的な見解を持っている人はどのような主張をしているのでしょうか?

これも色々あると思いますが、主要なものを以下に紹介します。

  • 2000年までは確かに温暖化していたが、それ以降の気温は横ばいであり、むしろ降下している
  • 二酸化炭素の排出量は増えているのに気温は横ばい
  • 温暖化は二酸化炭素などが原因なのではなく、太古からあった地球のサイクルの一環
  • 南極の氷は溶けるどころかむしろ増えている

このほかにも、パリ協定に関する話や海面上昇に関する話などたくさんありますが、このあたりが主なものでしょう。

このなかでも、もっとも懐疑論者の支持を支えている最大の根拠として、上の2つ、『2000年までは確かに温暖化していたが、それ以降の気温は横ばいであり、むしろ降下している』というものと、『二酸化炭素の排出量は増えているのに気温は横ばい』というものがあります。

2000年以降は本当に世界の平均気温は横ばいなのか?

ここが最大のポイントですね。本当に世界の平均気温は上がっているのか?ということです。

これも結論から言うと、2000年までは急上昇しながらもそれ以降は確かに横ばいです。つまり、懐疑論を唱えている人たちが言っていることはあっています。

ただ、懐疑論を唱えている人が提示するグラフをみたことがあるでしょうか?

『地球温暖化は嘘だ!』とか『地球温暖化と二酸化炭素は関係がない!』という結論に至っている記事では以下のようなグラフが引用されていませんか?

▼世界平均気温のグラフ

▼直近数年間の世界平均気温のグラフ

これを見ると、確かに気温は横ばいですね。2000年までの急激な温度上昇と比べると一目瞭然です。

ただ、ここで重要なのは『地球温暖化=世界平均気温の上昇』というわけではないということです。

地球温暖化というのはあくまでも地球全体の温度上昇を言っているのであって、世界平均気温とはまったくとは言いませんが、それほど関係がありません。

世界平均気温というのは、世界およそ7000か所にある観測地点で得られた気温を平均したデータです。

つまり、この気温というのは大気の気温であるということですね。私たちが生活している大気の気温です。

でも、この大気の気温というのは地球の気候システムのごく一部でしかなく、それが地球全体の気温上昇の根拠とするのは不正確だというのが気象学者や物理学者の主流の意見です。

大気だけではなく、地殻や海洋など気温上昇も考慮すべき

地球温暖化を議論するときには、大気の温度だけではなく、それ以外の気候システムも考慮すべきです。例えば、海洋の温度や地殻の温度などですね。

地球はその表面のおよそ70%以上が海面であるということからもわかる通り、海洋の温度変化や熱の貯蓄量は大気よりもはるかに大きく地球全体に影響します。

実際、Domingues et al 2008などのデータを参考に、地上の大気が溜め込んでいる熱量(世界平均気温)と海洋が溜め込んでいる熱量をグラフにしたものがあります。それがこちら。

こちらを見れば、地球温暖化が止まったなどとは到底言えません。むしろ、2000年以降も継続的に地球温暖化が進んでいるといわれています。

これと同時に、二酸化炭素の排出量と気温上昇には確かな相関関係は認められていないものの、上のグラフと重ねてみればある程度の相関関係は認められます。

このように、まだまだ分からないことは多いながらも、一部のデータにだけ惑わされてしまってはいけないということです。

世界平均気温の上昇が止まったと聞くと、温暖化は嘘なんだ!と思ってしまいがちですが、見るべきデータはそこではなく、地球全体の温度上昇ということです。

冒頭にも書きましたが、地球温暖化を唱えることで利益を得ている組織や団体がいることは確かです。

ただ、それと同様に懐疑論を唱えることで利益を得ている団体がいることも知っておくべきでしょう。

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