小児科医になるには?どのような道があるのかを紹介

ライフハック

乳児から思春期くらいの子供たちを相手にする診療科である小児科。

医学部では人気の無い科だといわれていますが、将来の成長に大きく影響する疾患などが発生することもあり、その意味で小児科医は欠かせない存在です。

どこかの臓器やどこかの部位だけに特化した診療科ではなく、体全身を見るため、小児科医は総合診療科というものに分類されます。

見るべき場所が多いので日々勉強の連続ですが、近年はトレビドラマなどの影響もあって小児科医の人気が上がっているみたいです。

そこで、小児科医になるにはどのような道があるのか?ということについて、ここでは取り上げていきたいと思います。


小児科医になるだけなら特別なことは必要ない

医師を本格的に志している人であればすでにご存知かもしれませんが、小児科医として働くだけであれば別に特別な資格を取得したり、研修を受けたりする必要はありません。通常通り、医学部を卒業して研修を修了してから自らの意思で小児科に進めばいいだけです。

基本的にな話になりますが、医師になるにはまず医学部に行く必要があります。そして、医学部で6年間学び、無事医師国家試験に合格することができたら研修医として働き始めます。この研修医期間はさまざまな診療科を回り、自分の適性を自分自身で判断するためにあるものです。

そして、研修医期間である2年が終了した段階で、自ら進みたい診療科を選択します。つまり、ここで小児科を希望すればその先は小児科医として働けるということになります。

認定医や専門医を取るなら難しい

ただし、小児科医として働くだけではなく、小児科の専門医や認定医を取得するという場合には更なる関門を突破しなくてはなりません。

現在の制度では、どこかの分野に特化した医師やその技術を公的に認める制度として以下のようなものがあります。

  • 学会認定医
  • 学会専門医
  • 学会指導医

研修医を終了したばかりの小児科医は学会登録医というのに分類され、あくまで専攻をしているだけで専門的知識が公的に認められているわけではありません。一方、上記の3つはそれぞれその分野における専門性が公的に認められているもので、イメージ的には医師免許のなかのさらに特定の分野に特化したエキスパートを認める免許のようなものです。

認定→専門→指導の順に難しくなる

上に挙げた3つはどれも全て特定の分野における専門知識を認めるものなのですが、取得難易度は認定→専門→指導の順に難しくなります。以下にそれぞれの概要を簡単に書いておきます。

学会認定医

高度な知識や技量、経験を持つ医師・歯科医師として学会が認定した医師・歯科医師。多くの学会では、認定医となるための条件を定めている。条件としては、研修指定病院での勤務期間や学会、講演会の出席回数を指定したうえで試験を行う場合が多い。以前は、筆記試験がほとんどであったが、最近実技試験を行う学会も増えている。

学会専門医

認定医よりさらに高度な知識や技量、経験を持つ医師・歯科医師として学会が認定した医師・歯科医師。まず、医師では日本医学会加盟学会で組織した専門医認定制協議会(有限責任中間法人日本専門医認定機構の前身)において、「5年間以上の専門研修を受け、資格審査ならびに試験に合格して、学会等によって認定された医師」と規定されている。各専門医認定を受けるためにはその専門医資格認定団体で各々の試験を受ける必要があり、通常は学会が認定団体を兼任している。内科、外科、小児科、産婦人科、眼科、泌尿器科、形成外科などの各科ごとの専門医の他に、血液、消化器、腎臓、肝臓などの臓器、部位ごとの専門医、臨床遺伝、漢方、レーザーなどの専門医まで、2005年8月の時点で42の専門医の呼称がある。2002年から、各学会での所定の手続きを経れば、専門医の資格を開業医は広告に掲載してもよいことになった。歯科医師の場合は、5つの歯学系学会が設ける規定に基づき専門医資格を付与しており、歯科放射線専門医、小児歯科専門医、日本歯周病学会認定歯周病専門医、口腔外科専門医、歯科麻酔科専門医などの専門医制度が設けられている。標榜制度以外は基本的に医師と同じである。

学会指導医

高度な知識や技量、経験を持ち、認定医や専門医などを指導する立場にある医師・歯科医師として学会が認定した医師・歯科医師。

小児科に関して言えば、日本小児科学会が認める小児科専門医や日本小児外科学会が認める小児外科専門医、日本小児神経学会が認める小児神経専門医などがあります。

専門医を取得するまでの大まかな流れ

認定医、専門医、指導医のなかでも多くの人が目指すのが専門医だと思います。

専門医になるためには、その学会ごとに異なったルートや試験、研修制度を設けているため、一概には言えないのですが、一般的には専門医研修→専門医試験合格という流れになります。

研修医として臨床研修を行った後に、特定の分野に特化した専門医研修というものを最低でも1年以上行うわけですね。

そして、その後に専門医試験が行われ、これに無事合格すると専門医として働くことができます。

ただし、この試験の受験資格自体が難しいことが多く、例えば消化器外科の専門医試験を受験するためには、以下の条件を満たさなければならないとされています。

  • 120例以上の手術を執刀していること
  • 350例以上の手術に参加していること

筆記試験だけであれば向上心のある人は若くして合格できますが、今の日本の医学界を考えると若くして上記の条件を達成することはほぼ不可能です。

ここまでの話をまとめると、小児科医になるには特別なルートは必要ないが、認定医や専門医として働くためには特別な試験に合格する必要がある。そして、専門医の試験を受験するためには厳しい条件をクリアしなければならない。ということですね。

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