カラオケに行くとキー調整機能というものがありますよね。
この機能を使いこなしている人はどれくらいいるでしょうか?
高くて歌いにくい曲はキーを下げる。低くて歌いにくい曲はキーを上げる。
こういうイメージで大方間違いはないのですが、実はもう少し複雑なものです。
『キー調整をしなくても声を低くしたら一応音程にあっているような気がする・・・?』
『原曲キーとは違う音程で歌っている気がするのに音程があっているように感じるのはなぜ・・・?』
こんな疑問を持ったことがある人は良いところに目をつけています。
この機会にキーとオクターブについて知識を入れておきましょう。
音楽理論っぽい話も入ってきますが、学校の音楽の時間が苦痛で苦痛で仕方なかった人でも抵抗のないように書いていきます。
スポンサーリンク
目次
音楽のキーとはそもそも何なのか?
まずそもそもキーってなんなのか?というところからですね。
いきなりですがこのキーという概念については誤解がかなり多いです。
音楽理論を1度でも勉強したことのある人であれば分かると思いますが、なんとなーくかじった程度だと大きな誤解をしてしまいます。(かくいう自分がそうでした)
キーを上げるというのは音を高くするというようなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
これは半分正解であり、半分間違いでもあります。
もっと具体的に言うと、キーを上げていくという行為を音階のような階段を上っていくイメージを持っている人がかなり多いということです。
キーというものは音階のような階段ではありません。
階段というよりも、むしろ時計の文字盤とか羅針盤のような環状のものをイメージするのが正しいです。
キーは環状をイメージすることで正確に捉えられる
この図のように、キーには大きく分けてメジャーとマイナーの2種類があり、それぞれについて12種類あります。
キーが一つ上がると、曲のなかのそれぞれの音が半音上がったことになり、逆にキーが一つ下がると曲の中のそれぞれの音が半音下がったことになります。
つまり、キーを2つ上げれば丁度1音上がっていることになるわけですね。
このキーを1つずつ円状のように並べるとまさに時計の文字盤ですね。メジャーの時計とマイナーの時計があるような感じです。
ちょっと補足をしておきます。キーを上げたり下げたりすると、半音ずつ上がったり下がったりするということは、例えば『ドレミ』という音の並びをキー+1にすると『ド#、レ、レ#』になるということです。これだけ聞くと、「それぞれの音が変わってしまっているのに曲として成り立つの?」と思う人も多いでしょう。しかし、音楽というのはあくまでも音の比率(音の上がり下がりの割合)が同じであれば同じ曲として聞こえるんです。実際に『ドレミ』と『ド#、レ、レ#』をキーボードなどで弾いてみましょう。それぞれの単音は違う音になっていますが、3つの音の流れ全体で聞くと同じように聞こえるはずです。これはどれだけキーを上げ下げしても同じで、どれだけキーを上げても曲全体が高くなるだけで曲自体に変化はないのです。
実際にカラオケのキーコンを操作してみて
この環状構造が理解出来たら、今度カラオケに行ったときに実際にキーコンを操作してみてください。
キーを+1、+2・・・と上げていき、+6まで上げたときの音と、逆に-6まで下げた場合の音を聴き比べてみましょう。
+6と-6のキーの位置は上で取り上げた図で見てみるとこんな感じです。
これを見てわかる通り、同じということですね。
実際に曲を聞いてみても同じであることが確認できると思います。
キーについてはある程度理解できたと思いますが、これだけではまだ不十分です。
思い通りの音程で自分が歌うためにもキーと合わせて絶対に知っておかなければならないのがオクターブという概念です。
オクターブってなに?
スポンサーリンク
キーと似たような概念として、オクターブというものがあります。(実際似てはいないんですが混同している人は多いですよね)
このオクターブという概念をひとことで表せば、『12個の音の集合体』という感じです。
ひとつ例を出すと、『ドレミファソラシ』の7個の音に半音である『ド#、レ#、ファ#、ソ#、ラ#』の5個を加えた『ドド#レレ#ミファファ#ソソ#ララ#シ』の12個をまとめて1オクターブと呼んでいるわけです。
ピアノの鍵盤で言えば下のような感じですね。
ちなみに、ド#はレ♭と同じです。同様に、レ#はミ♭と同じであり、ファ#はソ♭と同じです。
カラオケのキー調整を理解する
キーとオクターブの概念がわかれば、カラオケのキー調整を使いこなすための知識はそろったも同然です。
カラオケに行って『歌いたい曲があるんだけど一部が高くて出ない・・・』という場合、キーを下げることによって曲中のすべての音が半音下がりますので、高くて出なかった部分の音も出るようになります。
逆に自分にとって高すぎる曲の場合には、原曲キーのまま1オクターブ下で歌うということも考えられるわけです。
カラオケにおけるキー調整とオクターブの上げ下げの関係性を簡単に書いてみると以下のような感じです。
実際のカラオケのキーコンでは+6か+7くらいまでしかないと思いますが、理論上は上のようになります。
上でも解説しましたが、キーは全部で12個あり、+6と-6は同じキーになります。
ただ、同じキーとは言っても1全く同じではなくオクターブ違いの同じキーということです。
女性が男性、男性が女性の曲を歌う場合のキー変更の目安
それでは最後に男性が女性の曲を歌ったり、女性が男性の曲を歌ったりする場合のキー変更やオクターブ変更の目安について書いておきます。
ただ人それぞれ声の高さは違いますので、あくまでも目安というか参考程度に抑えておきましょう。
女性が男性の曲を歌う場合の平均的キー変更の目安
キーを+2~+3にするか、もしくは-4~-5にしてオクターブ上で歌うという人が多いようです。
人によっては男性の曲を原曲キーのままで1オクターブ下で歌いきることができる人もいます。
男性が女性の曲を歌う場合の平均的キー変更の目安
上の場合と逆で、キーを-2~-3にするか、もしくは+4~+5にしてオクターブ下で歌うという人が多いようです。
こちらも同様に原曲キーのまま1オクターブ上で歌いきれる男性もいます。
割合的には男性が女性の曲を1オクターブ上で歌える人のほうが多いようです。
これは高い声は訓練すれば出るけど、低い声は訓練しても出るようにはならないというのがひとつの大きな理由のようです。