初めて行う法要である新盆では、香典を渡すのが普通ですよね。
通常の法要ではお供え物として品物を渡すため、そこまで迷う人はいないのですが、新盆の場合には『出席できない場合はどうしたらいいの?』とか、『金額はどれくらいなの?』といった疑問を持つ人が多いです。
その疑問のなかでも、ここでは香典の表書きについて取り上げます。
お葬式で渡す香典の表書きは、原則として薄墨がマナーとされていますが、新盆で渡す香典の表書きはどうなのでしょうか?
新盆の表書きはどちらでも良い
冠婚葬祭のマナーや慣習というものは、全国一律で決まっているわけではなく、地域によって違いが出てきます。
そのため、一概には言えませんが、新盆で手渡す香典の表書きに関しては薄墨・黒墨のどちらでもいいというのが一般的です。
マナー的にどちらがいいという風に決まっているわけではないんですね。
ただ、普通は黒墨で書きます。
世の中の多くの人の認識としては、
- 葬儀の香典=薄墨
- 法要の香典=黒墨
というのが普通です。
葬儀の香典を薄墨で書く理由を知れば納得
そもそもですが、葬儀の香典はなぜ薄墨で書くのでしょうか?
実はこの理由を知ると、法要で渡す香典の表書きがどちらでもいい理由が分かります。
薄墨の理由を調べてみると、ほとんどのサイトでは以下のように解説されています。
薄墨の理由としては、本来は、きちんと墨を摺って濃い文字で書くべきところなのですが、あまりの悲しみで力が入らずという意味や、悲しみの涙が硯に落ち、摺っても摺っても薄くなってしまい、薄墨で書かざるを得ませんでした。という意味合いから、薄墨でも良いとされたものです。
この理由から考えると、事前に開かれることがわかっている新盆の香典に薄墨で書くのはおかしいということが分かりますよね。
ただ、地域や風習によっては弔事=薄墨と認識しているところもあるので、薄墨で書くのが必ずしもいけないということではないわけです。
このような演出というか名残というものは日本独特ですよね。
現代では葬儀の香典を黒墨で書いてもいいという話も
ある程度年齢を重ねている方は驚くと思いますが、最近では葬儀の香典を薄墨で書かなくてもマナー違反ではないという話もあります。
そうなると、法要も葬儀も香典の表書きは薄墨・黒墨どちらでもいいということになりますね。
この理由ですが、今はわざわざ墨をすることはなく、筆ペンなどで書くが普通です。そのため、わざわざこのような演出をする必要はないという人達も増えてきているのです。
伝統や慣習というものは、合理的に考えてはいけないものなのですが、こういう流れもあるということは知っておいてもいいでしょう。
中袋に書く金額は薄墨?それとも黒墨?
補足としてもうひとつ。
表書きを薄墨か黒墨かで悩んだことのある人は、中袋に書く金額の表記をどちらで書いたらいいのか悩んだことありませんか?
これも多くの人が抱える疑問ですが、一般的にはこれもどちらでもいいとされていますね。
最近の傾向としては特にそうで、どちらかといえば後々管理しやすいように黒墨で書いた方がいいという人も多いくらいです。
本来の理由から考えると、中袋に書く金額も薄墨でないとおかしいのですが、現代ではこのように考えるのが普通のようです。