未だに有効な治療法の無い病気らしい。
最近ジカ熱によって引き起こされているとみられる小頭症が連日ニュースでも報道されていますね。
ジカ熱に対してどんな印象をもっていますか?
2016年、症例が顕著なのはブラジルです。
ブラジルの保健省によれば既に4000件近い症例と70件近い新生児の重症化例があるそうです。ブラジルは非常事態宣言を出したというニュースも話題になりました。
ブラジルでは感染拡大の勢いはとどまることを知らず、軍が20万人以上を動員してジカ熱の原因となる蚊の駆除にあたっているみたいです。
このジカ熱ですが、妊婦が掛かるからこそ大きな問題があるのであって我々成人が掛かる分には基本的にそこまで大きな危険はありません。
ですのでむやみやたらに怖がる必要はないわけです。
ただ、日本でも妊婦さんはたくさんいるわけで、そんな方たちからしたら日本への影響というのも気になるところでしょう。
つい最近のニュースでは今までに感染例のないアメリカ・ハワイでも感染者が報告されたということで、この感染拡大の勢いはどうやら本格的なようです。ハワイなんてブラジルに比べたら目と鼻の先の島ですし、こういうニュースも不安をあおる要素になっていますね。
妊娠初期や後期といった感染時期によって危険度は変わるのでしょうか。また日本で感染する可能性はあるのでしょうか。
連日マスコミの報道がありますが実際のところ世界的な見解はどのようになっているのか。そういったところを中心に見ていきたいと思います。
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目次
ジカ熱を簡単に正しく理解してみる
このウイルスが発見されたのは1947年。
ウガンダのジカで初めて検出されました。正確に言うとビクトリア湖の近くにあるジカの森という所で見つかりました。
ジカ熱は蚊が運んでくるジカウイルスというものによって引き起こされる病です。
蚊が運んでくるウイルスというと2014年に日本でも連日騒がれていたデング熱が思い出されます。
このジカ熱とデング熱は感染経路も症状も致死率も非常によく似たものです。
基本的に感染者が多いのはアフリカや南アメリカなどの熱い地域。
成人が感染した場合の症状としては発熱や発疹などが主なものですが、治療環境の整っていない地域や適切な治療を受けずに放置しておいた場合には命にかかわることもあるウイルスのようです。
ただ、これはデング熱も同じですがジカ熱も適切な治療さえ受けさえすれば致死率は1%未満と非常に低いもの。
そう考えるとむやみやたらに恐れる必要はないということです。ましてや日本は医療の環境は整っているわけですし、衛生面も心配いりません。
ちなみにですが、普通の風邪と同じようにそこまで思い症状を引き起こさずに完治してしまう場合もあるし、気づかない場合もあるみたいです。
日本人って必要以上に恐れたりする国民性なんであまりパニックにならないようにしたいですねーってお話です。
日本への影響について考えてみる
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さて、一番気になるのは日本への影響です。
実際にデング熱が昨年日本でも160名という感染者を出したことからも全く他の国のことだという考えは出来ませんね。
まずジカ熱の日本での症例ですが、これはあります。
2013年にポリネシア地域から帰国した男性がジカ熱を発症したのが日本初の症例です。2014年にもタイから帰国した男性がジカ熱を発症したとニュースになったものの、まだまだ国内での症例は少ないです。
日本にジカウイルスを運ぶメスのネッタイシマカなどの種類がいるからには当然日本への影響も考えられます。
妊娠中の方は蚊などに刺されるのは極力ないように長袖などの着用がデング熱の時のように推奨されるかもしれませんね。夏の時期には注意したいです。
妊婦の方は気になる小頭症との関係
ちなみにジカ熱によって引き起こされる小頭症の症例はあるのか?と疑問に思われる方もおおと思いますが、ジカ熱と小頭症の因果関係自体が最近ブラジルによって発表されたものであって確かな根拠はありません。今のところ強い因果関係が疑われるといったものです。
ですので日本でも世界でも小頭症の症例はあるもののジカ熱が原因で引き起こされた小頭症という診断が下ったものはないようです。
また、妊娠時期によっても危険度は変わるのではないか?と思われている方も多いと思います。
妊娠初期だと危険?妊娠後期なら大丈夫なの??といったようなことです。
これに関しても因果関係が正確に把握し切れていない以上、時期で危険度が変わるかどうかといったことは分からないそうです。
ただ他の感染症に関しては基本的に妊娠初期に気を付けましょうと言われますよね。妊娠中の方であればお医者さんからそういった説明も受けていると思います。
例えば、インフルエンザなら妊娠4~36週、風疹なら妊娠4~20週を目安に気を付けなければいけない時期とされています。
多くの感染症は36週目くらいまでは母体(お母さん)が感染しても大した症状が出ないものでも、おなかの中の赤ちゃんからするととても大きな負担になって重要化したり後遺症を残すこともあるといわれてます。なので目安は36週でしょう。
そう考えていくと一番気を付けなければいけない時期というのはやはり妊娠初期なのかなぁという感じです。
世界的に見て妊婦の方に対して呼びかけている内容から判断する限り『妊娠している状態で感染した時点で可能性は捨てきれないので予防しましょう』ということみたいです。
ジカ熱にかからないようにするにはどうすればいい?予防策について考えてみる
妊娠時期によらず現在妊娠中の方は気をつけた方がいいということはよくわかりました。
ではどのように気をつけて行ったらいいのか。その予防策について少し考えてみたいと思います。
まず2016年2月現在ジカウイルスの感染が確認されている地域は以下の通りです。
- アフリカ
- 南アジア
- 東南アジア
- 中南米
ジカウイルスに対する有効な治療法はまだ見つかっておらずワクチンも開発されていないため、妊娠中の方にとっては予防というのが最も有効な手段だと考えられるわけですが、基本的に上に列挙した地域への渡航は現時点ではやめておくというのが大前提です。
この地域に関しては国も妊婦への渡航自粛を求めています。
これを大前提として考えて、もし日本でジカウイルスの存在が認められた場合は蚊に刺されないような対策が必要になってきます。
夏場であれば誰でも虫除けスプレーをしたり女性の場合は長袖を着たりして虫さされを予防しますが、いつもよりも念入りな対策が必要になってくるでしょうね。虫除けスプレー+長袖の併用はおすすめです。
また『うちは階が高いから室内では大丈夫だろう』と思っていても洋服についていたりして室内に蚊が入りこんでしまう可能性は想像以上に高いので本格的な対策をする場合は室内にも気を使いましょう。
テレビCMでも夏になると頻繁にやっている老舗のキンチョウから出ている『水性キンチョウリキッド』は最もコスパが良く効果も大きいと思います。
蚊専用に開発されているのでジカ熱対策にはもってこいだと思います。
そしてこれに加えてさらに虫さされを予防するためには蚊が活発的に活動している時間帯には外に出ないということも求められますね。
蚊は種類によってその生体が大きく異なってくるため、当然活動の時間帯というのも変わってきます。
ウイルスを媒介する蚊、特に今回問題になっているジカウイルスを運んでくるとされるネッタイシマカが活発に活動する時間帯は日中です。
ただし、夜にも全くいないというわけではないのでその辺りは注意しましょう。
まとめると、特別日中に出かけなければ行けない用事がない限りは夜の時間帯に虫除けスプレー+長袖長ズボンという装備で外に出るのがジカ熱予防の最大の予防策だということですね。
もちろん外に出ないのが一番ですよ。
人から人への感染はするのか?
人から人への感染がするのとしないのとでは当然治療法も異なってきますし、心構えとしても色々変わってきそうですよね。
これに関してはイギリス当局が公式見解を発表しています。
人から人への感染は原則として考えられない
どうやら人から人への感染はないようです。
ただ原則という部分気になったので調べてみると、イギリスで性交渉による感染がわずかに1例だけ報告されているらしいです。
その他にも輸血や注射などでの感染の可能性も捨てきれないようですが、基本的な生活を送っている上での空気感染は考えられないそうですね。
気になるリオデジャネイロオリンピック
2016年の夏に開催されるリオデジャネイロオリンピック。
候補地の決定段階では治安や環境の問題が懸念されてはいましたが、無事リオでの開催が決定してブラジルは大賑わい。ブラジル国内初のオリンピック開催だけあってかなり力も熱も入っているようです。
そんなリオオリンピックを控えたこのタイミングでのジカ熱の流行。しかもドンピシャでブラジルでの大流行となっています。
熱くなってくると媒介する蚊の量も増えてきてなかなか感染拡大の懸念も広がっています。
実際に日本の現地視察団に対してのジカ熱に関するマスコミの問い合わせは結構多いみたいですね。
視察団によれば12月の段階では問題ないレベルと言っているようですが、夏までにどれくらいの感染拡大がなされるか不安ものぞかせているといいます。
選手たちも勿論そうなのですが、個人的に最も気を付けていただきたいのはリオの観戦でブラジルに渡られる方々です。
感染に行く方の中には妊娠中の方もおられるでしょう。妊娠後期であれば時期的にも体調面を考えていかれる可能性は少ないと思いますが、初期であれば渡航の可能性も十分に考えられますからね。
全世界が大盛り上がりする大イベントであるオリンピック。
人々が大きな移動を見せるこのタイミングでの感染症の流行は感染拡大とオリンピックにどのような影響をもたらすのか注目したいところです。
追記:日本でジカウイルス感染例
遂に日本でもジカ熱の感染例が見つかりました。
感染したのは川崎市の高校生だそうです。
ジカ熱に感染した男子高校生はブラジルに滞在しており、帰国後にジカ熱に感染していることが発覚。
総務省はこの男子高校生の感染を受けて緊急会見を開きました。
このジカ熱ですが感染の勢いはとどまることを知らず、現在、中南米を中心に30か国以上で感染が拡大しています。
政府はジカ熱の感染例は見つかったが時期的にウイルスを媒介する蚊が多く発生する時期では無いため、感染の拡大の心配はないと言っていますがどうなんでしょうか。
デング熱の時も対応の遅さが目立っていましたが、今回のジカ熱は小頭症など様々な合併症を引き起こす可能性があるとされているので早めの対応を政府にはお願いしたいですね。
まとめ
同じくワクチンや有効な治療法が見つかっていないエボラ出血熱を彷彿とさせるようなマスコミによる報道も一部ではありますが、これはさすがに言い過ぎと言った感じです。
ジカ熱の致死率がおよそ1%なのに対してエボラ出血熱の致死率は適切な治療をしても50〜90%ですから比べものになりません。しかも感染力もどちらも空気感染しないウイルスですが大幅にエボラの方が高いですからね。
しかし予防をすることや適切な知識を持つことは非常に重要なことです。
エボラ出血熱のときは高い致死率と特異な症状によって世界中がパニックになりました。これはワクチン開発や治療法研究など手を打つのが遅かったからです。
それでもセンセーショナルなマスコミの見出しや報道などに踊らされて不必要に恐れるのもまたパニックの原因でしょう。
自分の身は自分で守る。
そう言う考えで妊娠中の方や妊婦のご家族がおられる方には適切な知識を身に付けて欲しいと思います。