日本では野生のクマに会う機会なんてほとんど無いと思いますが、湿地帯や山などにいる野生のクマって水芭蕉(ミズバショウ)を食べるって知っていましたか?
水芭蕉といえば日本では尾瀬のシンボルとして知られていて、夏の始まりを連想する花でもあります。
そんな水芭蕉をクマが食べるのは、実は下剤としての役割を担ってくれるからなのです。
まさにクマ版コーラックという感じ。
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クマは冬眠中に排便をしない
これも意外と知られていないのですが、クマは冬眠中に排便をしません。
凄いですよね。
食べ物を食べないで寝続ける冬眠のメカニズム自体不思議ですが、排便もしないってまさに仮死状態です。
便秘をしたことがある人はわかるとおもいますが、出ないときの便ってとても硬いですよね。
クマも人間同様に、冬眠中で長らく排便をしていないときにはとても硬い状態なんです。
水芭蕉に含まれるシュウ酸カルシウムが排便を促す
水芭蕉には毒があります。
葉や茎の汁の部分にはシュウ酸カルシウムという成分が含まれていて、これが有毒成分です。
人間が手で触れるとかぶれたり激しいかゆみを引き起こします。
食べる人はほとんどいないと思いますが、もし食べた場合には激しい嘔吐や下痢を引き起こすことがわかっています。
脈拍低下をすることもあるので、摂取量によってはかなり危険な植物なんです。
しかし、クマの場合にはこれを意図的に食べることで冬眠で硬くなった便を輩出するのに役立てます。
アリを食べるというのは有名な話ですよね
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アリを食べるクマの姿は結構有名ですよね。
すくなくとも水芭蕉を食べるクマよりは有名でしょう。
実はこれも排便のためです。
冬眠中に硬くなった便を、アリに含まれる蟻酸という成分によって柔らかくするんですね。
昔は便秘の民間薬として使われていたらしい
今はシュウ酸カルシウムという成分が含まれていて、人間が食べると危険であるということがわかっているので食べる人はいませんが、昔は人間も摂取していました。
日本でも便秘薬などに利用されていたようです。
さらには腎臓病に効果があるとされていた時期もあるとか。
ただ、現代の医学から考えるとこれはあり得ない話で、最悪の場合死に至ることもあるので便秘薬として使うのはかなりクレイジーですね。
それでも化学や医学が発達していなかった大昔に、水芭蕉の作用を知っていたことは驚きですね。
本能ってすごいですね。
人間もそうですけど、便秘解消のために水芭蕉を食べるって凄いと思いませんか?
人間は意思疎通もできて言葉もあるのでまだ分かりますが、クマの場合には言葉がありません。
意思疎通はできているのでしょうけど、それにしても本能に刻まれるってすごいですよね。
きっと、冬眠後のクマは意識しなくても水芭蕉やアリを食べているんでしょう。
なんか本能のすごさを感じさせられました。