子供のころから大好きだったアニメのひとつにルパン三世があります。
テレビアニメから入って、漫画に興味を持ちだし、プレステのゲームもすべてやりました。(笑)
そんなルパン三世の設定といえば、怪盗ルパンことアルセーヌルパンの孫ですよね。
作中でもよく『じいちゃんが~』的な発言がされています。
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目次
アルセーヌルパンは架空の人物だが・・・
結論から言ってしまえば、アルセーヌルパンは実在しません。
1800年代中盤から1900年代中盤に活躍したフランスの小説家モーリス・ルブランが書いた「アルセーヌ・ルパンの逮捕」という作品のなかで生み出された架空の人物です。
この事実を知って少年ながらにとてもがっかりした覚えがあるのですが、色々調べていくとルパンのモデルらしき人物やそれを彷彿とさせるかのような怪盗が実際にいたんですよ!
ルパンはまさに男の中の男という感じで、泥棒でありながらいろんな人に愛されていますよね。
さすがにそこまではいかなくても、盗みの技術や義賊的(弱きものに優しい)な一面はピタリとあっている人は実在します。
ルパンのモデルとして濃厚なのがフランソワ・ヴィドック
フランソワ・ヴィドックはフランスの大泥棒でありながら、後にフランス秘密警察の初代局長となった人物です。
大泥棒と警察の局長なんて、これを聞いただけですごい人物であることが分かりますね。
実際に彼の人生は波乱万丈で、まさに怪盗ルパンを見ているかのような感じです。
若いころ軍隊からの脱走を機にさまざまな犯罪に手を染めていきます。
詳細な犯罪記録は残っていないようですが、変装の技術と裏組織でのネットワークはまさにルパンを彷彿とさせるレベルであったと言われています。
その後は今まで行ってきた数々の犯罪を帳消しにする代わりに、警察当局のスパイとして雇われます。
このスパイ技術も一流で、裏社会の情報網と相まって彼は警察として出世していきます。
結局、フランス秘密警察の初代局長にまで任命され、晩年は私立探偵事務所を開き探偵として活躍しました。
世界的に見ても探偵という職が一般的に広まったのはこのフランソワ・ヴィドックからとも言われているほどです。
偉大な推理作家に影響を与えているヴィドック
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事実、エドガー・アラン・ポーやコナン・ドイルといった世界的に有名な推理小説家に大きな影響を与えた人物です。
アルセーヌルパンを生み出したモーリス・ルブランがヴィドックから影響を受けていたという記述はどの文献を見ても無いのですが、個人的には影響を受けていたと思います。
ルブランがルパンを生み出した背景としてよく言われているのは、コナンドイルの書いたシャーロックホームズシリーズを意識して生み出されたというものです。
確かにこれも事実だとは思いますが、それ以上にフランソワ・ヴィドックから受けた影響は大きいのではないかと思っています。
時代的にもフランソワ・ヴィドックが1775年~1857年、モーリス・ルブランが1864年~1941年なので影響を受けていてもおかしくありませんよね。
当時のフランスではヴィドックというと非常に有名な人物だったようなので、ルパン創作の際には間違いなくその生きざまを参考にしていたと思いますね。
ルパンを彷彿とさせる後世の大泥棒
一方で、アルセーヌルパンがルブランによって生み出された後、世界的に有名になった大泥棒もいます。
ルパンに影響を受けていたかどうかは分かりませんが、盗みの技術はまさにルパンそのものです。
変装を使ったり、予告場などを使って犯罪を予告する怪盗も出てきました。
アルベール・スパジアリ
比較的最近の人物です。
1976年7月19日に起きた銀行荒らしの犯人として知られています。
被害に遭ったのはソシエテ・ジェネラル銀行。
現金のほか、宝石や貴金属などを含め約50奥円もの金品を奪い去ったといわれています。
彼は『銀行50億強奪犯の掘った奪った逃げた』という手記も出しており、そのなかでは詳細かつ綿密な犯罪計画が記載されています。
鮮やかに盗み出したその盗みの技術も確かにルパンを彷彿とさせますが、警察に逮捕された後の厳重な警備をかいくぐっての脱獄と、国外逃亡撃はまさにルパン。
1976年というと近代なので警察の捜査能力や拘置所の警備体制も厳重なはずです。
それなのにも関わらずここまで鮮やかに犯罪をやってのけた彼はまさに現代のルパンと呼ぶにふさわしいでしょう。
ジャック・メスリーヌ
1900年代中盤に活躍した窃盗犯です。
実在する人物としてはルパン三世にもっとも近いと評価されることもある人物ですが、個人的には殺人を犯してしまっているところが残念なところ。
ルパンは犯罪は犯しても殺人は犯しませんよね。
ルパンに近いと評価されている理由には、彼の美学や生き様などがあります。
『女性には絶対に手を出さない』というものや、『警察を呼ばれても慌てずその場から立ち去り、警察と遭遇しても変装で煙に巻く』といったところでしょうか。
他にも、『万引きをした少年が警察に捕まったところに遭遇した彼は、警察官に紛争し少年を引き取り、逃がしてやった』という話も残っています。
『俺は生きたまま捕まることはない』というセリフも有名で、この通り、最後は警察に21発もの銃弾を撃ち込まれて最期を迎えました。
ピンクパンサー
世界的に有名な犯罪組織です。
非常に有名なので知っている人も多いでしょう。
あくまでも組織なので特定の人物がルパンを彷彿とさせるというわけではありませんが、犯罪手口や生き様などはルパンを彷彿とさせます。
美学としては『殺人は犯さない』、『仲間を助ける』、『数分で鮮やかに奪う』などがあります。
日本でも銀座の宝石店が2004年に被害を受けていて、約3億円相当の貴金属が盗まれた過去があります。