【3分でわかる】ニコラ・テスラの世界システムは実現可能なのか?

サイエンス

歴史上の大天才と聞いて誰を思い浮かべるでしょうか?

色んな天才がいますが、物理学の世界に関して言えば間違いなくニコラ・テスラは大天才のひとりです。

あまりにも多くの発明をし、常人では考えられないレベルにまで研究が発展していたことから都市伝説的に語られることも多い彼は、1900年代前半に『世界システム』の研究に没頭します。

ニコラ・テスラがいなければ現代の物理学は数百年遅れていたともいわれるほどの人物が人生をかけて開発しようとした世界システムってどんなものなのでしょうか?


『世界システム』の概要と歴史

ニコラ・テスラはご存知の通り、電気工学や機械工学の分野で多くの発明をした物理学者です。

有名な発明家トーマス・エジソンと直流電流と交流電流で確執があったという話は有名ですね。

あまり知らない方のために、以下wikipediaから一部引用です。

ニコラ・テスラ(1856年7月10日 – 1943年1月7日)は19世紀中期から20世紀中期の電気技師、発明家である。交流電気方式、無線操縦、蛍光灯、空中放電実験で有名なテスラコイルなど多数の発明や、「世界システム」なる全地球的送電システムなど壮大な提唱もあり、磁束密度の単位「テスラ」にその名を残している。
8つの言語に堪能で、詩作、音楽、哲学にも精通し、電流戦争ではトーマス・エジソンのライバルだった。

世界システムは、ニコラ・テスラが今まで研究してきた電磁気の実績を応用し、その集大成として研究されていたものです。

この世界システムを一言で言ってしまえば、『無線送電技術』です。

無線送電というのは読んで字のごとく、電線などを使わずに電気を供給する仕組みのことを言います。

この技術がもし確立されて普及しだせば、世界中のどこにいても、コンセントがなかったとしても電気を使うことができるようになります。

世界システム開発は雷を見たのがきっかけ?

そもそも、ニコラ・テスラがこの世界システムの研究にとりかかったのには、ある自然現象を見たことがきっかけといわれています。

その自然現象というのは、雷です。

あるとき、一人で山を歩いていると空が急に暗くなり、暗雲が立ち込めてきました。

豪雨が降ってくるだろうと思った彼は、雨の当たらない場所に避難し、空を見上げて雨が降ってくるのを待っていました。

しかし、なかなか雨は降ってきません。

それでもずっと空を見ていると、大きな光とともに稲妻が走ったのです。

それをきっかけに豪雨が降りだしました。

この自然現象から彼が考えたのは、強大な電気エネルギーが気候や環境に大きな影響を与える可能性があるということです。

これが世界システム開発のきっかけといわれています。

世界システムはJ・P・モルガンの資金援助で研究されていた

これも有名な話ですが、ニコラ・テスラの考案した世界システムの研究にはJ・P・モルガンが絡んでいました。

J・P・モルガンといえば、現在も世界的に有名な投資銀行ですね。

1901年にはアメリカのニューヨーク州ロングアイランドにウォーデンクリフ・タワー (Wardenclyffe Tower) を建設しますが、この建設資金のほとんどをJ・P・モルガンが出資したといわれています。

高さ57メートルの塔ですが、当時この規模の建物を建設するためには今よりも莫大な資金がかかったことでしょう。

そのためには、強力なスポンサーが必要だったわけですね。

ただ、ここでひとつ興味深いのが1905年の完成後、いきなり世界システムの研究が中断され、頓挫してしまったことです。

これにはJ・P・モルガンとの関係悪化が大きな理由だとされていますが、関係悪化の理由って何だったのでしょうか?

J・P・モルガンにとって世界システムは都合が悪かった?

ひとつの説によれば、『J・P・モルガンにとって世界システムが完成してしまうことは都合が悪かった』といいます。

J・P・モルガンは電線に使われている胴の利権を持っていたため、世界システムが完成して電線が無くなればJ・P・モルガンは利益が減少してしまう。

だから資金援助を停止したというのです。

これは公式発表されているわけでもなく、あくまでも都市伝説や噂の域を出ません。

ただ、J・P・モルガンの資金援助中止によって研究が頓挫したのは事実です。

現代であれば世界システムの実現は可能か

上で紹介したウォーデンクリフタワーは1917年に第一次世界大戦で敵国の標的になるとされ、解体されました。

これでニコラ・テスラが世界システム実現のために力を尽くしてきた痕跡というものは地球上から完全に姿を消してしまったわけですが、100年近くの時が流れた今であれば世界システムは実現可能そうですよね。

ただ、J・P・モルガンにまつわる都市伝説が本当なのであれば、今なお電線が無くなることで利益を失う人がいるということになります。

そうすれば、技術的に可能であったとしても本格的な研究に着手するというのは考えにくいですよね。

これは世界システムの実現によって損害を受ける人の権力が大きければ大きいほどそうです。

一部の利益によって、物理学、いや人類全体の進歩が意図的に止められてしまうのは悲しいですが、いつの日かニコラ・テスラの描いた世界が実現する日はくるのかもしれませんね。

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